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高橋の卵焼き
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(リクエスト(?近い感じのお話頂いていたので)です。山代と大和のお話で、花崎と大和が高橋の卵焼きを取り合った一文から生まれました!)
(ややエロ有りです)
「おはようございます、若」
爽やかな朝日の降り注ぐ、土曜日。
大和は、優しい声と優しい日差しに起こされる。
今日、お父ちゃんはいない。
昨日から泊まりで関西へ帰ってる。
寂しい夜だった。
「ん……………ん……」
寝癖でハネた髪を枕へ埋め、大和はまだ眠い目を少しだけ開いた。
「高……………橋………」
「はい…………………」
自分の頭を撫でる、柔らかな感触。
ガツンとくるお父ちゃんの起し方と違って、高橋のやり方は本当にとろけちゃう。
穏やかな物言いが、まるで甘いフレンチトースト。
肌に触れる温もりに、ほっぺたが落ちそうになる。
「今日……………朝メシ、何?」
「この前、花崎と取り合いになったので卵焼きを」
「マジ?やったぁ……………」
花崎と取り合い。
高橋が用事がある時、花崎がよく大和を学校へ送る。
そんな日は、大概朝ご飯を共にする。
大和が言ったのだ。
『家で朝ご飯用意して、ウチでも作るの大変やろ?花崎も一緒に食べたらええやん』
毎朝、花崎のご飯もきっちり用意する高橋を気遣っての事だが、お互い好きな事を言い合える花崎との会話も、大和自身が嫌いじゃないと言うのもあった。
上下関係の厳しい世界。
たまにはそんな時間も息抜き。
だから、そのお陰で残り1切れとなった高橋の絶品卵焼きを、二人で取り合う結果になったのだが……。
ギシ………………………
「若……その前に、ソレ落ち着かせて来て下さいね」
「え…………………あっ」
高橋の視線に止まる、下半身のツンツン。
恥ずかしい…………!
蹴飛ばした布団の端から、若さが顔を出す。
スウェット、見事な盛り上がり。
「た…………高橋……ぃ…………っ」
「クス……………すみません。ほな、お手伝い致しましょか?」
ベッドに腰をかけた高橋は、照れた顔を両手で覆う大和の横へ手を突き、可愛いそこへ腕を伸ばす。
「ひゃ……あっ…………ぁ……や」
思わず叫ぶ、震える嬌声。
同時に、一気に固さを増す下半身と、腰が浮き上がるような刺激。
「高…………ぁ……あ」
「はい…………若…………」
はい、と言う囁きがまるで合図かの如く、高橋の指が根元から線を描くように這う動作に、大和の身体は見事に一瞬で落とされた。
「もっ………ぁ………」
「可愛らし………………」
「ア………アホ…………っ」
溢れる言葉とは裏腹に、愛でる温もりに反応は悦びに満ちてく。
大和は目に涙を溜め、高橋を見上げた。
綺麗な眼差し。
自分を見つめる瞳の美しさに、胸はキュンと高鳴りを覚える。
「先日、山代に許したバツです」
「あ……………ぁ……」
忘れていない。
自分が不在の時の事。
「親父以外は、許しません………………若は、私の大事な若ですから」
「っん…………はぁ……は………あ…ぃっ」
嵩原だから我慢出来ている日々に、要らぬ横やりへの苛立ち。
恐い男の目に触れた。
大和の先をスウェット越しに撫で回し、ギュウと強弱を付けて握りながら上下する快感。
浮き上がった腰は無意識に高橋を求め、大和は自らその身体へしがみついた。
「意地……悪………ぅ…あっ………た……っ」
「ええ、どうとでも……………」
背中へ回る高橋の腕に、身を任す。
気持ちのいい、朝。
大和は、そのまま高橋に下半身をまさぐられ、あっという間に絶頂を迎えた。
ただ、高橋は一度もキスをしなかった。
先日の山代の件も相俟って、キスをしたら本当に自分が抑えられなくなると思ったから。
高橋だって、本気で愛してる。
全てを貪りたいと、いつも願ってるのだ。
それを崩した山代を、恨まないと言えば嘘だろう。
「あかん……………朝から、自己嫌悪」
そうして、愛される男は、いい男達の求愛に頭を抱える。
大和は食卓へ顔を伏せ、自分の不甲斐なさに嘆いた。
同情はする。
高橋や山代を拒めたら、そりゃ素晴らしい。
でも、実際拒めるかと言えば、難しいと思う。
なにせ、どちらも色気溢れる色男(しかも明らかに二人の方が、うわ手)。
…………………難しいと思う。
だが、これだけは宣言しよう。
大和は、お父ちゃん以外に全部を捧げてはいない。
お父ちゃん以外に?
じゃあ、山代は…………………。
「だって、親父が好きやもん……………」
毎日毎日、お父ちゃんに恋してる。
お父ちゃんがいないと、本当に寂しい。
お父ちゃん、早く帰って来てぇ。
「わかっております、そないなことは」
「……………………高橋」
健気に嵩原を追いかける。
それが可愛くて、自分もまた恋をする。
「卵焼き、味見て頂けますか?」
「へ……………あ……」
菜箸に挟まれた、綺麗な卵焼き。
ニッコリ微笑む高橋と、目にも美味しい卵焼きの輝きに、大和の瞳はキラキラ。
ハムッ……………………
恥ずかしがりながらも、当然大和は口を開ける。
「うまぁい……………♡」
「………………良かったです」
頬を赤らめて、自分の卵焼きを食べる大和は天使か。
高橋は嬉しそうに笑みを浮かべた。
「すぐ、ご用意致しますね」
これだけは、誰にも譲らない。
高橋のかけがえのない宝物。
「今朝のメインは、鮭の西京焼きです」
「ぃえーい!高橋の西京焼き大好きやぁ♪」
「はい、ありがとうございます」
毎日のように見る、幸せの瞬間。
皆は知らない。
高橋が、自分の朝食を後回しにして、丹精込めて準備をしている事を。
朝早くから、夜中まで。
気が付けば、夕食も深夜になる時も少なくはない。
それだけ、高橋にとって、嵩原や大和へ注ぐ時間は大事なもの。
これをうち崩す者が現れた時、本当の恐ろしさは来るかもしれない。
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