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休日前夜(嵩原と大和)
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(何気ない日常の一コマです(_ _))
明日は、日曜日。
ヤクザなんて休日の決まりはないが、まだ高校生である大和には日曜がある。
それは、学業を優先してやる為の嵩原なりの気遣い。
ただ、そんなに上手く休める事なんて実際はなかったりするのだが、気分が違う。
さすがの大和も、土曜日の夜はちょっとウキウキしている。
ウキウキ。
コンコン………………
「親父、入ってええ?」
「ああ……………入り」
高橋も帰った後のマンションは、話し相手もいなくなり、一気に静かになる。
夜中の12時。
お風呂から出た大和は、嬉しそうに嵩原の部屋のドアを叩いた。
休日前夜の楽しみ。
ガチャ………………
「へへ……………今日、一緒に寝てええ?」
「当たり前やろ……………来いよ」
「ん…………………」
既にベッドへ入り、座ってパソコンを見ていた嵩原の優しい微笑み。
トントンと自分の隣を叩く仕草に、大和の胸はキュンと高鳴る。
あ、別にエッチがしたいとかじゃないですよ。
「なぁ………………」
「…………………あ?」
「今夜は、いっぱい喋りたいな」
「クス………………せやな、いっぱい喋るか」
なかなか時間の取れない父親と、沢山話が出来る事が嬉しい。
自分も多忙だが、嵩原も何かと多忙。
劉組織の事があるから関東にいてくれてるけれど、関西からの連絡は連日入る。
嵩原が本部にいるといないでは、他の組織も態度が変わるのだ。
いるだけで、圧がある。
本部も、本当は帰って来て欲しいと思ってる。
でも、帰したくない。
ベッドに潜り込む大和は、隣で座る嵩原の身体へ寄り添い、ぎゅっと腰へ腕を回した。
「………………親父の匂い、大好き」
昔から、抱きしめられる度に包まれた、父親の匂い。
泣いていても、悲しい事があっても、この匂いに抱きしめられると本当に安心出来た。
大好き。
今思えば、あの頃から誰にもやりたくないって思っていたな。
「そら良かった…………親父臭やて言われたら、ショックやしな」
そして、それを受け止める父親もまた幸せな表情を浮かべる。
パソコンをサイドテーブルに置いた嵩原は、その身を屈め、ソッと大和の額へキスを捧げる。
「んっ……………言わへんよ。全部好きやもん」
「いや。俺の方が、全部好きや」
迫る瞳に心がときめく。
囁くように話す父親の全てに、息子は息をするのも忘れそう。
「親父………………」
「愛しとるよ………………可愛い俺の大和」
耳元へ唇を滑らせ、艶やかな声色でそれを言われた日には、大和は見事に腰砕け。
ベッドがなかったら、多分一気に床へ崩れ落ちてた。
「も……………お喋り出来ひんやん」
大和は赤い顔で嵩原を見上げ、疼き始めた下半身をモゾモゾと動かした。
ヤバい。
身体が、あっという間に熱くなる。
「ぷ……………すまん。お前が愛し過ぎて、つい口から出てまうわ。話聞いたるから、沢山話し」
「あ……親…………」
頬へ当たる、親の温もり。
グッと込められた力が身体を引き寄せたかと思うと、大和は嵩原に腕枕をされるように抱きしめられた。
「…………………今日、学校どうやった?颯くんらとは仲よう出来てんのか?お父ちゃんに、いっぱい教えてくれ……………普段のお前」
毎日聞きたくても聞けなかった事。
話す内容が、どうしても組の事になって、親子の会話も儘ならない。
たまには、恋人から親子になる時間も大切だ。
大和を抱き寄せる嵩原の顔は、昔から知ってる親の顔。
「…………………親父」
貧乏でも、若過ぎる親でも、常に一生懸命我が子を育ててきたその姿に、大和の視線は奪われる。
まだ、20代そこそこで片親になった、嵩原。
料理も掃除洗濯も無茶苦茶だったが、毎日が笑いで埋まってた。
周りからは変な同情もされた時があったけれど、幸せじゃないと思う事はなかった。
この親の子で生まれてきて良かった。
それしかない。
世の中色んな親がいるが、嵩原が親で本当に良かった。
「あ、あんな……………今日さ、颯らと昼休みに食堂行ったやんか…………」
それからしばらくの時間、大和は最近の自分を沢山話した。
一緒に笑い、一緒に頷き、ずっとそれを聞いてくれる嵩原に、大和の話は止まらなかった。
ラブラブ?
勿論、その後にガッツリ浸りました。
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