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真木と宇佐見②
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二人の代名詞、片山LOVE。
毎日毎日、片山の為に奔走し、片山の為に生きている。
そんな二人の、LOVEな日常。
「ゲホッゲホッ…………………」
真木が、風邪を引いた。
「真木、大丈夫か?顔赤いで……………熱、あるんやないか?」
街中の高層マンション。
この一室に、白洲会片山の自宅がある。
片山らしく、シンプルかつ、モダンでお洒落な部屋。
そこで、自分の世話に勤しむ真木のフラつく姿に、見かねた片山が声をかける。
「だ…………ゲホッ………………大丈夫です……………ゴホッゲホッ…………………」
「いや、大丈夫ちゃうやろ?掃除はもうええから、休みや…………………俺のベッド貸したるし」
俺のベッドォォォ…………………!?
いち早く反応したのは、宇佐見だった。
二人から少し離れたキッチンで、洗った食器を拭いていた宇佐見は、思わずお皿を落としそうになる。
「か………………片山さんのベッド………………」
それだけで、下半身が疼いちゃう。
片山さんの匂いが染み付いた(いえ、マメに洗ってます)シーツに、片山さんの温もりが残る(そんな訳ない)布団……………………俺が、寝たい。
「う、羨ましい…………………」
宇佐見は、恨めしそうに真木を見つめる。
しかも片山は、掃除機を持つ真木に近寄り、おでこに手を当てて、具合を見てあげている。
「熱………………やっぱり高そうやな」
「あ………す……………すみませんっ」
真っ赤な顔を、益々真っ赤にして恥ずかしがる、真木の姿。
それ、半分は熱やないやろーっ!
宇佐見、心の叫び。
「………………………俺も、風邪引きたい」
テンションだだ下がりの宇佐見を尻目に、真木は片山に寝室へと連れて行かれる。
「宇佐見、薬用意したってくれるか?」
「ああ…………………はぃ」
おのれ、真木。
仲良し二人組。
片山への愛の下に、僅かな歪みが生まれる。
トントン……………………
「…………………入るでぇ………………真木」
「ゴホッ……………あ、ああ……………宇佐…………」
ゲッ……………………。
部屋をノックする宇佐見の声に、真木は重い頭を持ち上げ、ギョッとする。
負のオーラ満載の宇佐見、ご登場。
ミネラルウォーターのボトルと、風邪薬を手に持ち、嫉妬の渦が全身を包んでる。
「薬……………………」
「わ……………悪い……………」
な…………………そう言いかけて、真木が手を差し出した途端、宇佐美は薬を部屋の端へと投げつけた。
バコッ………………………
薬の箱、見事に壁に命中。
「おいぃっ…………………大人気ない事すんなやっ!」
「俺に移せ、風邪」
たまらず叫び声を上げる真木に、宇佐美の意味不明な返事。
「………………………は?」
「せやから、俺に風邪移せ言うとんねん」
「移………………移せ?」
移せと言われて、移ったら苦労しない。
『?』を頭上に浮かべ、真木は眉をしかめる。
ガバッ……………ギシギシッ……………………
そんな事に真木が首を傾げているうちに、宇佐美の身体が、真木の上に勢いよく乗っかった。
「い…………重っ!アホ……お前、何やっとんや!?」
「移すんやないか、風邪」
「意味わからんしっ……………こっちは、マジしんどいねん!そこ退けや……………っ」
頭がフラフラな状態で、怒鳴る。
当たり前だが、一段と頭が痛くなる。
「っつぅ…………………頭痛ぇ……」
真木は、激しくなるズキズキに、顔を歪ませて頭を押さえた。
「ほれ見てみ。さっさと、風邪移せ言うてるやろ」
「だからっ、移せって何言うと……………」
しつこい宇佐見に、真木が睨みを利かせて、ハッとした。
近…………………っ!!
気付けば、宇佐見の顔が迫ってる。
「ちょっ………………宇佐見……っんん!?」
真木、抵抗する間もなく、唇を奪われる。
「んんんっ……………!!!」(←『宇佐見、離せ!』と、叫んでる………………つもり)
「っせ………………はぁ……お前の菌、俺が吸い上げたるねん…………………っんぁ」
マットをバタバタと叩く真木の顔を両手で掴み、宇佐美は舌まで入れ込んで風邪菌収集。
逃げる真木の舌を、練っとりと奪いにいく。
「ぁはっ……………も…………宇佐………止めっ…ん」
「あかん………………まだぬる……………い……っ」
ヤバい。
なんだか、気持ち良くなってきた…………………?
ネチネチとベッタリなキスをしている二人に、段々妙な気分が漂い始める。
ハァハァと少ししんどそうな真木の表情が、たまらなくそそられたりして。
「真木……………ぃ……………」
宇佐見は、虚ろな真木に、身体の火照りを感じた。
心なしか、アソコがパンツを押している。
そう言や…………………最近、抜いてねー。
若い身体は、エロさに敏感である。
目的は違えど、キスってやっぱり気持ちいい。
「なんや、俺……………………」
そう言って、真木との口付けに、トロりとなりかけた宇佐見に、悲劇は訪れる。
トントン…………………ガチャ。
ガチャ?
「真木ィー?具合どうなんや?熱下がらへんのやったら、病院行かなあか…………………」
え。
思わず唇を押さえ、宇佐見は絶句。
真木は顔を両手で覆い、見ることさえままならない。
固まる二人の前に、まさかな片山、現る。
「お前ら……………………仲ええとは、思うてたけど………そうか………………………」
そうか………………………。
あまりの出来事に、片山もソレしか言えなかった。
「かっ……………片山さんっ!!違…………」
「すまん、邪魔したな」
バタンッ………………………
ひぃぃぃ……………………っ!!
ドタッ………………………
ドアの向こうへと、消えていく片山へ腕を伸ばし、宇佐見はベッドから落下。
「さ、最悪や…………………」
「お前が言うな……………っ」
被害を被った真木は、もっと最悪でしかない。
片山LOVE。
片山に近付く事は、ほど遠い。
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