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山代の恋(前編)
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(リクお応え。すみません、話が終わりませんでした(汗)しばし、お付き合い下さい(>_<))
端正な顔立ちに、綺麗な体型。
山代には、華がある。
華のあるヤクザは、周りを惹き付ける。
上に立つには、持ってこい。
恋愛男子において、そんな華のあるヤクザで、綺麗だと言えば、私はまず片山が浮かびます。
でも、片山は女受けの良い色男。
嵩原は、美しいが男も見とれる男前。醸し出す雰囲気から色気があり、男が憧れる容姿。やはり、存在感が別格なのだ。
高橋は、嵩原に近く、若い時は『華奢で美人』が先行していたが、今はいい具合に歳を重ね、凛とした大人の魅力が溢れてる。
大和は………………父親譲りのイケメンだが、何せまだ若い。経験豊富な色男達を前に、ちょっと押され気味?多分、これからお父ちゃんに近付く、筈。
頑張れ、大和!
そんな中の、山代。
大和いわく、『山代は、エロい』。
「若頭、ビールお注ぎしましょうか?」
鹿威しが、カーンと良い音を響かせる、純和風庭園を望む老舗料亭。
本日ここに、大和と山代が顔を合わす。
「いや……………………ん」
大和、鱚の天婦羅を頬張り、やや口ごもる。
「……………………?どうかなさいましたか?」
山代は、ビール瓶を手に、首を傾げた。
今日の山代は、顔色が良い。
料亭の奥座敷を貸し切り、障子を開けた差し込む暖かい日差しに照らされた表情は、相変わらず綺麗だ。
そして、相変わらず、自分を見てくる視線が、何よりも熱い。
こっちが照れる位の眼差しに、大和は向き合って座った事を、後悔する。
と言っても、こんな席で隣同士も滑稽だが。
「も、もらうわ………………」
大和には、トラウマがあった。
こんな日の山代は、危険だ。
調子づいて酒に溺れたら、ヤられる。
身体は辛うじて守られているが、チューは何度か奪われた。
チュー。
侮れない。
またそんな事にでもなって、あの変に鋭い父親にでもバレたら、余計に面倒くさい。
大和は、若干酒のピッチを落としてた。
「でも、今日はありがとうございます」
「え………………………?」
「お忙しいのに、お時間取っていただいて」
山代は大和のグラスへビールを注ぎながら、その綺麗な顔を緩める。
ドキ。
邪な気持ちはないが、やっぱり山代って、エロい。
嬉しそうな表情に、大和もついホッとして、見とれてしまう。
「別に……………昼飯位付き合えるわ。気にすんなや」
そう言って、注がれたビールを一気呑み。
………………………あ!
山代ペースに、飲まれてます。
「クス……………………若頭は、本当に見てて飽きないですね。いつまでも、見ていたいです」
「い………………………」
見ていたいって…………………。
空いたグラス片手に、思わず唖然とする大和を見つめ、山代は益々笑みを浮かべる。
ホント、可愛らしい。
若頭としての激しい姿と、この何とも言えない胸擽る愛らしさ。
これから先の将来を見据えた時、嵩原大和ほど見てみたいと思う男はいない。
病に苦しむ山代が、初めて生きたいと思えた要因。
大和に出会えた事が、山代の人生を変えたのだ。
その恋に一生懸命になって、当然かもしれない。
「…………………にしても、今日は護衛つけられなくて、良かったのですか?なんでしたら、側近の方々の部屋も手配してましたものを」
竜童会若頭が、身一つで訪れる。
普段なら有り得ない光景に、山代は不思議に思った。
「ああ…………………それな…………………組員よりも確実な、アシがおんねん」
「は?……………………アシ、ですか?」
山代の疑問に口を緩め、大和はいつの間にか注がれていたビールを、また一気に呑み干した。
ハッ。
ぅわぁっ………………やってもうた……………!
目の前には、ビール瓶をにこやかに持つ、山代。
お………………恐るべし。
山代ペース。
「で?アシと言われるのは…………………?」
「へ………………あ…………うん…………実は……………」
事の始まりは、約一時間前。
大和が、山代の誘いに乗って、ランチに行く準備をしていた時の話。
『親父ぃ!!なんですかぁっ、これ!!』
それは、いつものように、嵩原に怒れる錦戸の声。
またか……………………。
大和は呆れ気味に、リビングへ顔を覗かせた。
『何って…………………お前が、ハンコ押しとけ言うてた書類に、ハンコ押したんやけど?』
そして、いつものように、飄々とする父親。
『ハンコって………………借用書の債務者欄にハンコ押して、どないすんですか!!債権者欄に代表印押して下さい言うたんです!!』
『おお♪ホンマや………!…………………俺、金借りられるやん♪』
金貸し業務用の書類の束を、ワナワナと震える手で見せる錦戸に、嵩原は笑顔で冗談をカマす。
組長が、組に借金。
錦戸には、笑えない。
笑えないと言うより、怒りが込み上げる。
『もぉっ!書類、作り直しやし……………………これ、時間かかったのに……………………』
法的に通用する書類とは、いちいちが面倒くさいのです。
特に、生業が生業だけに、警察関係の目も厳しい。
いらない指摘を受けない為に、右腕錦戸は頭を働かせていた。
『そら、悪かったな………………手伝おうか?』
『結構です!!!作り直すまで、顔見せんといて下さい…………………っ!!』
嵩原、自宅マンションを追い出される。
「………………………それで、アシ?」
嵩原竜也が送迎なら、何よりも心強い。
まだ、深く嵩原を知らない山代でも、大和から時折聞かされる人柄は、全国一の組長とは思えない、親しみを感じる。
大和とは、とても仲が良さそうで、羨ましい。
「アホやろ?さすがに俺も、錦戸が気の毒でな…………まぁ、親父も暇やからって、車出してくれたんやけど…………………」
最高級クラス、防弾仕様の特注おベ○ツで。
頼もし過ぎます。
「仲が宜しいんですね…………………」
「大変やで……………あの人の息子………………どっちが子供かわからんし」
そうブツブツ言いながら、おこわへ箸をつける大和は、言葉とは裏腹に楽しそうに見える。
そんな大和を見るだけでも、目が細くなる。
どんな姿でもいい……………………生きているうちは、見ていられる。
山代は、大和といられる幸せを感じながら、おもむろに立ち上がる。
「いい風……………………庭園を見ながらの食事には、持ってこいな天気です…………………」
見上げる先の青空に、頬をかすめる風、目の前には緑の美しさが眼下を覆う。
生きているとは、感謝である。
「………………………山代」
好きな人の側にいられる喜びは、目に映るもの全てを美しいものへと変えるらしい。
障子に手をかけ、貸し切りの個室から外の景色を眺める山代に、大和も静かに近寄った。
「若…………………ぷ…………………もう、付いてます」
振り返る山代の笑みを誘う、大和の口元。
「え…………………………」
「おこわ……………組員が見たら、威厳も台無しです」
山代は、大和の口元へ手を伸ばし、それを取ろうとした。
それを、何の警戒もなしに受け入れる大和の、愛しさ。
罪な方。
伸ばした手を、大和の頬へ添え、山代は顔を近付ける。
「若頭………………………愛してます」
優しい囁き。
「山……………………」
「愛してます…………………」
爽やかな風が、二人の間を吹き抜ける気持ち良さと、重なる唇。
口元のおこわが、山代の舌に包まれ、そのまま大和の唇を奪う。
「っん………………山………っ……待っ……」
「いえ、待てません……………………待てません、若頭」
あと、何回言えるだろう。
愛してます。
慌てる大和の腰へ手を回し、山代はより深く唇を絡めていく。
(『恋愛男子+』いつもありがとうございます!本日は、春様のリクをお受け致しました………………いつもありがとうございます、春様!そして、皆様、1話完結出来ずすみませんΣ(ノд<)私の力不足。あと、1話…………………例の方も出る予定……後編、お許し下さいませ)
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