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山代の恋(後編)
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(『恋愛男子+』初前後編……すみません(汗))
好きな人がいても、好き。
わかっていても、どうにもならない恋もある。
山代もまた、そんなジレンマと戦っている。
残り火の時間と、必死に向き合いながら。
美しい日本庭園の緑が、太陽の日差しによって輝くお昼時。
そこを望むように立った大和は、山代に唇を奪われる。
「やっ…………ん………………山代………ちょっ………と!」
とても絵になる景色を背景に、イケてる顔の男子が二人、キスしてる……………………壮観な眺めである。
どこが、壮観じゃーっ………………!!
ええ、されてる大和は、それどころではない。
「慌てる若頭も、可愛らしい………………」
「あ…………っんん……………あの……なぁ………っ」
腰を抱き寄せられ、離そうにも離れない、山代のエロい唇。
たっぷりの蜜を含み、濡れてる艶っぽさが、またいやらしい。
しかも、モゾモゾしているうちに、シャツの裾を捲られ、何やら手が滑り込んで来る。
「……………………っ!!」
そこまで行く………………っ!?
大和は身体をビクッとさせて、山代の顔を見つめた。
「…………………怖いですか?若頭…………………」
綺麗で、でも何だか切なそうな山代の瞳が、大和の視界を覆う。
「山代…………………っ」
山代の腕を掴み、大和はそれを振り払う事に躊躇した。
強引に押し退けて、山代が発作でも起こしたらどうするんだ?
いや、その前に……………ただでさえ弱っている山代を振り払って、益々傷付けてしまったら………………。
山代を想う大和の優しさが、掴んだ腕の力を弱めさす。
山代は自分が関東に来て、初めて『こいつだ』と思えた男。
大和なりに、強い想い入れはある。
無下に突き放すなんて、出来る筈もなかった。
「…………………優しいですね…………………若頭」
山代は、自分を突き放せない大和を見つめ、綺麗な笑みを浮かべる。
そして、大和に抱きつくと、ゆっくりその身体に体重をかけていった。
「え………………山っ………ぅわぁっ!?」
ガタッ……………………ドサッ!!
いきなり大の男がのしかかって、支えられる程身構えてもない。
たまらず大和は山代を抱いたまま、勢い余って障子に手をぶつけ、後ろへと倒れ込んだ。
「いっ………………………」
下が畳とは言え、男一人を抱えると、さすがに腰が割れそうである。
かつ、付録のようにぶつけた手がジンジンと痛んで、思わず片方の手で押さえた。
何や、これ。
もう、昼飯どころではない。
「…………………っ………ぅ」
山代もまた、大和の胸で倒れた衝撃に、顔を歪ませる。
「山代っ…………だ、大丈………っん!?んん………っ」
頭を持ち上げ、山代の表情を覗き込もうとした大和の唇を、再び塞ぐ山代の口付け。
最早、拒む隙さえ、摘み取られるよう。
「クス………………本当に、優し過ぎます………………そんなに優しくされたら、いっぱい甘えたくなってしまう………………」
「山…………………代……………」
自分の身体を跨ぎ、僅かに離れた唇から囁く山代の顔は、その笑顔とは裏腹に、今にも溢れそうな程、瞳が潤んでいた。
「ずっと………………ずっと、こうしてお側にいられたら、どんなに幸せか………………………」
大和に会わなければ、こんなにも生きたいと望まなかった。
それでも、出会えた喜びの方が、辛さを勝る。
山代の恋は、命の炎と共に、懸命に灯りを点す。
「…………………っぃません………………」
山代は、咄嗟に大和から身を離し、顔を逸らした。
相手は、自分よりも10も歳が下。
なのに、自分の方が、はるかに大和へすがってる。
震える唇を必死に噛み締め、込み上げるものを抑えようと踏ん張った。
生きたい。
ただそれだけが、果てしなく遠い夢となる。
「山代…………………っ!!」
「………………若…………」
そんな山代を、大和は後ろから思い切り抱きしめた。
「あと数年…………………あと数年したら、俺は必ず親父から跡目受け継いだる。そしたら、お前を幹部として引っ張るからな………っ!誰にも文句は言わさせん。俺が決めんねん…………………お前は、それだけの価値があるんや!」
頭が切れ、要領が良く、周りを良く見ている。
高橋に次ぐ、出来る男になれる筈。
大和は、それを信じて疑わなかった。
「せやから、後ろ見んな………………俺が、お前の苦しみも一緒に抱えたるから、後ろ見んなや……………絶対に、なんとかしたるから……………っ」
なんとか…………………。
そんな確実なものなんて、ない。
ないけど、何とかしてやりたいと言う想いは、誰よりも強く持つ覚悟だった。
いつの間にか、大和も目頭が熱くなっていた。
それを山代に見せまいと、大和は空へと視線を移す。
やたらと眩しい青空が、嫌みのように、晴れやかに二人を見下ろしているように見えた。
「…………頭…………っ…………若頭……………」
山代は自分を抱きしめる大和の腕に触れ、堪えていたものを止める術を忘れていた。
いい歳したヤクザが、涙を流す。
端から見れば、呆れるような光景だが、どうしても止められなかった。
ただただ、大和への気持ちを思い知る。
好きになった人が、年下で、ヤクザだったと言うだけだ。
久々の外ランチは、結局大和に軍配が上がった…………かもしれない。
ところで、忘れちゃいけない、このお方。
本日、大和の『アシ』として、活躍しました。
「あ…………………忘れとった」
山代との、色んな意味で熱い昼食を終えた大和は、駐車場までボーッと出て来て、呟いた。
「はあ?忘れとったって何や………………お前が言うてた時間に、迎えに来てたんやけど?」
色々あって、一時間オーバー。
お父ちゃん、けなげに大人しく待っていました。
愛車の窓から、煙草を加えて顔を出し、やや不機嫌そうに大和を見上げて、嫌味を一つ。
「わ、悪い…………………ちと、話が延びた」
「ふぅ~ん…………………の割りには、下ろし立てのシャツがやけにシワんなっとんな」
鋭い。
山代に捲られかけて、抱きつかれ、変にシワがつきました。
「あ、ああ………………これはやな、あれやほら………」
「どうでもええわ……………早よ、乗れ」
うげ…………………怒ってる?
大和はしずしずと、黙って助手席に乗り込んだ。
バタン………………………
と、途端にお父ちゃんに首根っこ掴まれる。
「へ………………………」
グイッと引っ張られたかと思うと、あっという間に、唇が重なった。
「っん………んぁ……あ…親…………父……ぃ」
微かに煙草の味のする舌をねじ込ませ、練っとりと愛撫の嵐。
尻込みする大和の背中に手を回し、嵩原は無理矢理自分の方へと寄せていく。
「や………はぁ…………人に…見られる………ん」
「知るか……………他の男と、密な時間過ごしたってツラしとるお前が悪い…………………どんな理由でも、気に入らんわ」
嵩原は大和の唇へねちっこく舌を絡ませ、パンツの上から下半身をもまさぐり始める。
「なっ…………あ、あ………あかんっ……んんっ……親っ」
「おい……………コレ、山代とおる時に感じとん違うやろな?もう固いやんか……………」
「アホ………ぁあ……親父が触る……はっ……からやっ」
徐々に固くなっていく大和のモノを、今度はファスナーを下ろして直に手を入れる。
「い…………っ…………も………この、変態っ……ああっ…」
「ほな、帰ろか?運転しながら、可愛がったるわ」
態勢を整え、煙草を加え直すと、お父ちゃんニヤリと大和へ目を向けた。
「は…………はぁぁ………!?やっ……あ……無理………無理やて………………っんぁ……あっ」
ブォォォン………………………
辺りに響く、エンジンのイイ音と、車内に響く、大和の喘ぎ声。
……………………何より恐い、お父ちゃんの嫉妬。
もう二度と、親父はアシに使うまい。
お父ちゃんに車内でいたぶられ、大和は胸に誓った。
(いつもありがとうございます。遅くなりましたが、前後編…………………ひどい(汗)シリアスな話が、お父ちゃんの登場で一変してしまいました(>_<)春様、山代と大和も何やら重くなってしまいましたが、お父ちゃんの嫉妬も………………チーン(--;)皆様、こんな展開になりました………………すみません(汗)私の力量不足です!これに飽きたらず、良かったら、また『恋愛男子+』見てやって下さい…………………)
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