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上地とワンコ
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(皆様、いつもありがとうございます。リク、頂いたままですが、大和とお父ちゃんの絡みが続いたので、ふと浮かんだ短い話を挟みました。翼様、春様、今考えてます!しばし、お待ち下さい(〃ω〃))
冷酷、上地。
皆様ご存知、ヤクザの王道の様な、お方です。
そんな上地には、ワンコがいる。
「上地ぃ~♪メシ、食いに行こうーやぁ」
ワンコ。
またの名を、フリーダム、嵩原。
「……………………嵩原」
誰もが恐れる上地を、唯一振り回せる男。
予告なしに上地の前に現れ、連れ回す。
「メシって………………今日は、何が食べたいんや?」
そして上地、そのワンコだけには、相変わらず優しい。
突然、滞在中のホテルの部屋に押し掛けて来た嵩原を、普通に受け入れる。
外出先から帰って来たばかりの上地は、ジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めながら、ラフにしようとしていた矢先だった。
それでも、怒らない。
これが、嵩原以外なら、確実に三途の川を見る。
「せやなぁ~、暑うなってきたから、鰻とかどんな?精力つくで♪」
大和との、夜の生活に……………ウフ。
いや、それ以上いらんだろ?的な嵩原は、勝手にベッドへ横になり、ムフフな大和を想い浮かべながら、ゴロゴロ遊んでる。
今年、36歳。
ワンコ以前に、ベビーに見える………………。
こんなんで、天下の組長様。
上地もさすがに、溜め息を漏らす。
「嵩原…………………お前なぁ…………………」
ギシ……………………………
「え……………………上………」
上地は嵩原の腕をベッドへ押さえ付け、寝転がったその横へ腰を下ろした。
「俺のベッドに横になって、鰻か?俺が、お前の有り余った精力、使うたろか…………………」
「は………………なに、まだ食べてへんし…………俺は、大和に使うからええんや…………っ」
「アホ……………………ガキより、大人同士んが、夜はドロドロに溺れんで」
そう言うと、上地は嵩原の首筋へ唇を滑らせる。
練っとり、吸い付くような唇の感触。
チュパ………………小さな息の抜ける音と、舌触り。
「あ……………ちょ…………マジ止め……………っ」
「誰に言うとんねん………………俺に気ィ許しすぎや」
ベッドの上でバタバタする嵩原を抱きしめ、上地の顔は、微かに笑みを浮かべる。
「上……………地……………っ……」
「好きやで…………………嵩原……………………お前がガキにゾッコンでも、俺はお前を愛し続けたる………………呆れられても、止めへんからな」
鉄仮面上地の、たった一人に見せる笑顔。
ある意味、嵩原の特権である。
「も………………………俺は、応えてやれへんぞ」
「応えなんか要らへん………………………こうして、俺に会いに来てくれるだけでええ…………………」
上地が、嵩原の身勝手を怒らないワケ。
嬉しいのだ。
どんなに振り回されても、嬉しい。
自分を、忘れないでいてくれる事。
会いたいと、思ってくれる事。
あまり顔には出さないが、嬉しくてたまらない。
上地は、自分を見上げる嵩原の手を掴むと、そこへ優しくキスをした。
「鰻……………………最上の、食わしたるわ。着替えて来るから、ちと待っとけ」
嵩原の為に、新しい服で。
不器用な男の、不器用な恋。
ワンコは、今日も愛される。
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