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山代と大和(前編)
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(リクエスト作です。年末年始、なかなか出来なかったので本編休みの間こちらを…。時間がある時にでも読んでみてください(*- -)(*_ _)ペコリ)
彼らを見ていると、いつも思います。
どちらが攻めで、どちらが受けだろう……。
トントン………………
「はい………………どーぞォ」
週末の昼下がり。
竜童会関東支部、支部長室。
高橋が受け持ちの地区へ出ている今、大和は一人机に向かう。
だって、高橋に言われたから。
『若……………この書類、片付けといて下さいね』
え。
この書類、厚さがゆうに10㎝は越えてるな?
振り向き様に言われた笑顔の恐ろしさ。
やるしかねぇ………………。
大和、かれこれ1時間半は格闘中。
「失礼します………………若頭、お疲れ様です」
「山代…………………何や、偵察か?」
優しいノックと共に入口に立つのは、今日自分も仕事を片付けに来ていた、山代の姿。
大和のしている事がわかっているのか、微かに苦笑いを浮かべ、こちらを見つめてる。
偵察か?
大和は軽く頬を膨らませ、ジロリとその美貌へ目を向けた。
「よくおわかりで……………高橋さんが出て行かれる前に、私の所へ寄られました。1時間半位経ったら、若は飽きられる頃やさかい、顔見せたってくれと」
「は………………」
ご名答。
完全に飽きてました。
今、目の前に置いた書類を仕上げたら、ソファで寝ようかな~なんて、思っていたとこ。
「あいつ………………」
高橋に見えない大和はない。
高橋ーっ!(大和、心の叫び)
例え側にはいなくても、監視カメラのごとく、高橋はいる。
「相変わらず、妬けますね。若頭の事、わかり過ぎておられて」
「アホ…………………付き合いの長さが違うわ」
そうそう。
何せ、高橋とは小学校へ上がる前からの付き合い。
家族同然に生活を共にした。
「私もなれますでしょうか…………そんな関係に」
歩み寄る山代の寂しげな呟き。
大和の隣には、常に高橋。
どんなに頑張っても、その隣だけは譲ってはもらえない。
ただただ指を咥え、二人が並ぶ姿を眺める日々を過ごすのみ。
届きそうで、届かない。
あと少しの残酷さ。
何度か重ねたキスも、それ以上に深まる事さえないのだ。
「十分仲ええ思うけどな……………俺とお前」
そして、そんな山代の気持ちを肌で感じる大和は、机の端に置かれた書類を取りながら、ポツリと一言。
大和にとっての山代。
なんと言うか、山代を引っ張ったのは自分。
初めて会った時から、気に入った。
綺麗な顔立ちから見せる、男気の気持ち良さ。
なかなか肝が据わってる。
父親が助けてきた組員達と違って、思い入れがあるのは否めない。
大事にしてやりたいって、いつも思ってる。
「……………………はい?」
「せやから、十分仲ええと思うけどなって」
「若頭…………………」
十分仲ええ。
おかしいもので、たった17歳の子供に言われたそれが、一人の男の心を救う。
嬉しくて、嬉しくて。
綺麗な瞳が、益々輝いた。
「本当に思ってくれてます?それ」
「あ、疑うんか?」
「…………………いえ、信じます」
部屋にある大きな窓からは、暖かい日差しが差し込む。
一つの机を挟む二人の身体を、包むような暖かさ。
山代は、その机に置かれた大和の手をソッと握り、愛しき顔を覗き込んだ。
「山代………………」
「歳がこんなに違うのに、どうしてこれ程までに愛してしまうのか……………溺れた方の負けですね」
美しい表情を惜しみ無く晒し、山代の想いは溢れ出る。
「…………………貴方を組長にするのは自分だと、いつも胸に誓っています」
間近に迫る主へ捧ぐ、渾身の宣誓。
誰にも負けたくない。
一度死を見た男の覚悟は、何よりも強く。
「頼もしい側近や………………お前を引っ張った事、正解やったわ」
「この先も、後悔なんてさせません」
竜童会と言う、極道の最高峰。
一歩でも後ろを見ようものなら、それは足元を掬われて、次を待つ者達に先を行かれてしまう。
僅かな弱味も命取り。
山代の強気は、はったりではなく、他の追随を許さない盾となる。
「若頭………………お茶入れます。少し、休憩されませんか?」
握った主の手へ落とされた、艶やかな唇。
触れ合う肌が、いと優し。
「山代…………………エロい」
「エロくしているんです、わざと」
「も…………………」
お茶、入れます。
お茶だけで、終わりますか?
(大晦日になってしまいました………思いの外、久々の山代が長くなりましてΣ(;゚∀゚)ノ次はもっとエロくしたい……年明けになりますが、宜しくお願い致します。お忙しい中、読んで下さいました皆様、ありがとうございました(泣))
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