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嵩原と安道
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(上地書いたら、浮かんでしまいました。すみません………魔の三角関係。安道と上地…………罪なお父ちゃんです)
自由で、真っ直ぐで。
太陽の様な男。
でも、その影に、静かに輝く月がある。
「あ?なんや、竜也……………風邪引いたんか?」
日曜日の午前中。
美味いワインを貰った安道は、嵩原にあげようと思い、マンションへ立ち寄る。
最近は、度々顔を出す事の増えた安道へ、大和から合鍵が渡されてた。
礼儀として勝手に入る事はしないが、先に連絡をした予定に関しては遠慮はしない。
今日も、昨夜嵩原に話をしていた安道は、ワインと手土産のチーズをぶら下げ、リビングのドアを開けた。
「グズ………ぁあ、京。そう言や、来る言うてたな」
鼻水、ズルズル。
赤い顔でソファへ寝転がり、ブランケットにくるまる、お父ちゃん発見。
「大和や高橋は、どないしたんや」
「支部……………昼から会議やて。あいつらおる時は、ここまで酷なかったんやけど……………一時間前位から、急に…………」
「錦戸は……………?」
「本部……………元々、俺の代わりに帰る予定やったんや。他の連中と一緒に、関西」
「…………………災難やな」
「災難や…………………」
誰もいない部屋で、一人魘される。
安道が来なかったら、ぶっ倒れてたかも。
「どれ………………顔、貸してみ」
「え………………俺、今喧嘩する体力無いわ」
「心配要らん。お前なら、体力削られても喧嘩は出来る」
「…………………どんだけアホな、俺」
そう言って、嵩原は素直に安道の方へ顔を近付ける。
何歳になっても、安道は嵩原の全てを支える。
「高いな………………」
「ん…………………」
熱い頬へ安道の指先が触れ、近付く顔に目を閉じる姿は、まるで子供。
絶対的信頼で、何も疑わない。
「汗もかいてる……………服脱ぎ、温めたタオル持って来たるから、汗拭いて着替えよう」
子供の時から、手が焼けた。
真っ直ぐで、自由奔放で、愛される。
自分の魅力に気付かない、困ったカリスマ。
支えても支えても、支えきれない眩しさは、安道の懐をよりデカくした。
嵩原に関しては、基本寛容。
仕事や大和の事でぶつかる時はあっても、先ず嫌な顔はしない。
安道にとって、嵩原は最早生活の一部。
一生、切れない存在。
「雑炊、作ったろうか………………少しでも腹へ入れとけ。何がええかな……………好きな蟹とかなら食べれそうか?」
「何でもええよ……………お前の飯は、食べれる」
お前の飯は。
美しい肉体を惜しみなく晒し、嵩原はしんどそうにタオルを手にして、サラリと一言。
「…………………そうか」
目を細めた安道の事など、わかっていない。
本当に、無垢な奴。
「ほら、タオル渡せ……………拭いたる」
「悪り………………」
キレたら手に負えない、恐ろしい化け物。
組長としての風格も問題ない。
それが、普段はこうも幼子。
自分へ身を任せ、身体まで拭かせるのだから笑ってしまう。
「ったく………………大和よりガキやで」
「可愛ゆうてしゃーないな」
「てめぇで言うな………………ボケ」
可愛いよ。
誰よりも。
「なぁ、京……………」
「……………………何や」
「ずっと、下らねぇ話していきたいな…………」
虚ろな眼差しで、また人を鷲掴み。
言われなくとも。
「お前に付き合えんの、俺くらいやろ」
「ハハ………………俺も、そう思う」
ずっと。
ずっと、大事にしたるよ………………。
(皆様、ありがとうございました。安道には頭が下がります。どの男子がくっついても、カップルは成立する気が……そんな気持ちで書きながら、カップル探してる時があります)
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