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山代
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関西勢が幅を利かせる物語で、唯一の関東勢。
竜童会傘下山代組組長の山代。
数々出てくる組長達の中で、これまた唯一の二十代。
親の跡目を継いだ、2世。
頭が良く、顔も良く、腕もいい。
大和が、関東に来て一番に気に入った、極道者。
ただ、生まれつき心臓が弱く、大和の為に無理がたたり、現在療養中。
「山代~!元気かぁ~?」
閑静な住宅街に佇む、山代の大邸宅。
山代が体調を崩してからは、大和は毎日のように見舞いに来る。
山代と、そう約束した。
ただの1分でも、顔を見せる。
でないと、大和が不安なのだ。
「若頭…………………おはようございます」
お上品な、細い声。
以前より、明らかに弱ってる。
「おー、今朝は顔色ええなぁ!」
良くなくても、そう言う。
今にも消えそうな山代が、大和には不安で仕方がない。
「今日は、いつもよりお早いですね。何かあったのですか?」
部屋のソファに座り、山代は笑顔で大和を迎える。
大和へ想いを寄せる山代にとって、この時間が一番好き。
愛する若頭を独占出来る、自分だけの時間。
「あー、今日なぁ……………親父が、上地とゴルフやる言うて、早ようから出て行ってん。あの人、朝から元気やから、おらんなってやれやれやん?俺もお前に会うたろ思うて、出て来たんや」
確かに、元気そう。
朝からうるさいお父ちゃんが、目に浮かびます。
「クス………………そうですか………………でも、若頭の話は、組長の事が多くなりましたよ?」
「え……………………」
ドキ。
山代って、ホント賢い。
よく人を見て、勘が冴えてる。
「そ、そうか?他の奴の話も、しとるけどな………」
大和は、頬を赤くし、目を逸らす。
だけど、こんな山代だから気に入った。
『一緒に、てっぺん行こう』
山代へ何度か口にした言葉は、嘘じゃない。
だから、いつも会う度に想う。
死ぬなよ。
そんな事考えるの自体不謹慎だが、少し痩せて見える山代に、願わない訳にはいかなくなる。
「な、山代………………この前、美味いイタリアンの店見つけてん。今度、オシャレして行かへん?」
「イタリアン?いいですね………………ぜひ」
大和の誘いに、山代はその綺麗な顔を緩めた。
何気ない毎日が、幸せに思う。
若頭、大好きです。
山代の毎日は、大和の笑顔で救われる。
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