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定例会②
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定例会。
それは、定期的に行われ、組長、若頭、幹部などを交えた、組の現状報告や先を見据えた話をする場。
と言うのは、前置きで。
前作『定例会』をご覧の皆様は、ご存知かと思われますが、竜童会のソレは、ただの無礼講な宴会です。
ええ、無礼講。
「ヘィ!王様ゲーム♪♪」
無礼………………………。
注)本日は、定例会です。
宴会場にこだまする、『王様ゲーム』の陽気な声。
「はいはい、大和!高橋さん!割り箸取ってや♪」
ほろ酔い気分の花崎が、大量の割り箸片手に、皆に配ってる。
王様ゲーム。
このメンバーで、王様ゲーム………………ただのゲームで終わる気がしない。
「野郎ばっかの王様ゲームって、何が楽しいねん」
大和は手渡された箸をプラプラ振り回し、グラスのビールを一気飲み。
「クス………………………確かに。でも、花崎なりに盛り上げようとやっとるんです。乗ってやろうやないですか?」
「高橋………………お前、ホンマ出来た人間やな」
高橋と、王様ゲーム……………何か、違う。
そう思いながらも、大和は高橋の意見を渋々受け入れる。
…………………と言うのも、皆様、前ページ覚えていらっしゃいますか?
もしも…………パロを、定例会前にお父ちゃんと見た大和。
高橋のエロい姿が、脳裏を過る。
何だか、妙なドキドキやっちゃってマス。
「………………………若とご一緒なら、何でも平気です」
しかも、パロを地でいく、高橋。
「な………………………」
笑顔でサラッとそんな台詞吐かれた日には、益々ドキドキ急加速。
お父ちゃん………………大和、危険です。
………………………て、あれ?
肝心の?お祭り男が見当たらない。
「そっ、そう言や…………………親父おらへんなァっ。こないな盛り上げ時に、どこ行っとんや…………」
高橋の微笑みに照れ照れな大和は、それを誤魔化すように辺りを見渡す。
盛り上げ時。
お父ちゃんの役どころは、組長よりもソレらしい。
「ああ……………先程、錦戸と廊下へ出られましたね。関西から、何やら連絡が入った言うて…………………おや?若…………………お弁当、付いとります」
「………………………へ」
「もう…………………若頭が、みっともない。あきませんよ?」
大和の唇に付いた、揚げ物の衣。
大和の身嗜みにも厳しい高橋は、つかさず手を伸ばし、その柔らかい唇を指で拭う。
ひゃ…………………………。
目の前には、視界を遮る男前な高橋のどアップ。
大和の心臓は、はち切れんばかりに爆音を鳴らす。
「はーいっ!!王様ゲーム開催~っ♪」
「おお~っ♪ええぞぉ~!花崎ィ~っ♪」
そんなドギマギ感を蹴散らす、宴会場の盛り上がり。
「ほな、俺から始めま~す!王様ゲームと言えば、これでしょぉ?七番と十五番さん、早速チューいきましょ~!チューして下さぁーい!!」
チュー。
酔った男達に、節操はない。
野太い野郎声のどよめきが起こり、皆は七番と十五番を探す。
七番。
「あ………………………俺、七番や………………」
大和が、手に持った割り箸を見つめ、固まる。
え、俺…………………野郎と、チュー?
当たり前な話だが、いつもお父ちゃんとイチャLOVEしているが、別にゲ○ではない。
野郎と、チュー。
冒険である。
「…………………………すみません、私が十五番ですね」
その隣で、高橋が呟いた。
は………………………………。
「ぅおおお……………………っ!!!」
普段から、怪しい程仲の良い、大和と高橋。
ラブラブな二人のチュー。
会場は、一気にテンションフルマックス。
皆、生唾ゴックン状態で、二人に熱い視線を送る。
「た………………た、高橋………………」
グルグル回る、もしも………………パロ。
大和は頬を赤く染め、高橋を見た。
「若………………………嫌やったら、止めましょ。若のお気持ちに、不快感を与えとうありません」
「い………………いや………………」
紳士な高橋が、また胸キュン。
高橋って、本当にイイ男………………そう思っちゃう。
「ああ?なんや、お前ら……………えらい盛り上がっとんの………………………」
出た。
役どころが、『ソレ』な方。
錦戸を後ろに従え、会場に戻って参りました、親父様。
「……………………げ………………………親父」
組員が皆自分に意識を注ぐ中、大和は顔を上げ、気まずそうにその姿を見る。
ヤバい。
タイミング、悪過ぎる。
「ん?大和……………………何、固まっとんや」
お父ちゃん、自分を見る大和の表情に、眉をひそめる。
何だ、この状況。
大和と高橋に、皆が注目してる………………ような?
「親父ぃ!今、王様ゲームしとんですっ♪」
「王様……………………ゲーム?」
「はいっ♪しかも、一発目に若と高橋さんが当たったんですよ~!これから二人で、チューをお披露目ッス~!!」
何も知らないとは、罪である。
組員達は、お父ちゃんの前で楽しそうに、はしゃいでる。
楽しそうに………………………。
「はぁ?………………………チュー?」
チュー。
チュー。
チュー……………………………鼠ではありません。
盛り上がる一方の組員達の後ろで、お父ちゃんのムラム……………………もとい、イライラメータが、ぐんぐん伸びていく。
「おい、ちょっと待てや。王様ゲームに、ホンマの王様は抜きか」
……………………………はい?
会場が、一瞬で静まり返る。
「ホ………………ホンマの王様……………………」
あからさまにムッとした嵩原(ただの嫉妬です)に、組員達は全てを悟る(いや、悟らざる得ない)。
ああ、いました。
我らが、王様……………………親父様。
「えーと、親…………………」
「やり直せ………………俺が入る」
でしょうね。
自分に声をかけようとした花崎を、お父ちゃんの権限がモノを言う。
組長は、絶対なのだ。
絶対……………………ややこしい。
「はぁ……………………どこで『組長』使うとんですか。私は、遠慮します」
呆れる錦戸は、さっさと席へと戻る。
「ぷ……………………分かりやすいお人や」
「高橋………………………」
嵩原の暴挙に、高橋は苦笑い。
「若……………………キスは、またですね」
「え………………………」
綺麗な笑みを浮かべ、高橋の意味深な言葉が、大和を熱くする。
た……………………高橋ぃ…………………!?
もしも…………………パロ。
波紋の余波は、まだ続く。
勿論、嫉妬に燃えたお父ちゃん、この日の夜は、大和を離しませんでした……………………。
(皆様、いつもありがとうございます。本編の真逆をいく『恋愛男子+』………………お父ちゃんの株が下がらないか、不安です(--;)ごめんョ、お父ちゃん)
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