アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
吸血鬼と家畜
-
自分の背丈を優に超える大きなドアを3回、ノックする。扉を開けて出迎えてくれたのはいつものように自分と同じ、家畜の女の子。
長い廊下を歩いて、僕は飼い主、フェリド・バートリーの元へ行く。
「ミカちゃん、こんばんはー。今日も来てくれたんだね。」
豪奢な椅子に座り、気持ちの悪い笑みを浮かべながら両手を広げ、こっちにおいで、と招いてくる。素直に従うと膝の上に乗れと示すように太ももの辺りをぽんぽんと叩く。
従順に駆け寄るとひょい、と抱きかかえられ、膝に乗せられる。
「いただきまーす」
おやつを食べるかのように、僕の、血を吸う。
体の中の血液が抜かれていく感覚。操り人形の糸を、引き抜いていくような_____
□■□■
「あ、殺しちゃうところだった。」
多分、血を吸いすぎたのだろう。ぐったりともたれかかった少年の顔は、少しだけ青い。
人間は脆い。
少年を抱きかかえ、部屋を出ると侍女が「フェリド様」と声を掛けてきたが制し、自分の寝室まで運んだ。
ベッドに高級なワインのグラスを置くように丁重に寝かせる。首元から若干、垂れている血は、己の欲情を誘うが、これ以上吸ったら本当に死んでしまうので指で軽く拭い取る。
少年の、金の美しい髪を優しく撫で、唇に、触れるだけのキスを落とした。
□■□■
砂塵と血の匂いが舞う中、剣のきっ先を喉元に突きつけられても、いつも通りのフェリド。
剣を握るのは金髪の青年。青かった瞳は血のように赤い。紫髪の吸血鬼はいつものように笑った。
「僕は、君のこと、好きなんだけどなぁ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 1