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指の感覚がふやけてなくなりかけた頃、彼の目にはトロンとした目の少年が映っていた
一心不乱に舐め続ける口元から指を引き抜くと唾液が糸を引いて流れ落ちた
「もういいよ」
「...?」
だらしなく口を開けたまま少年は彼の下肢の間に手を伸ばした
慣らされた身体は次に何をするか、するべきかを知っている
これはいつもの事
まるでこれが合図のように
これからいつものように服を脱がされ時には優しく時には激しく少年を攻め立てる行為が始まる
そのはずなのになぜか今、彼は少年の手を払いのけて身体を押しのける
「しなくていい、もういいんだよ」
よく分からない
なぜ拒まれたのかわからない少年はその意味を分かろうと彼の瞳の動きを追う
熱を帯びた身体の奥にある行き場のない感情が不安と混ざってザワザワと足元から忍び寄ってくる気がした
戸惑いながら少年はもう一度、今度は太ももに手を添えた
「だからいいんだってば」
強めに言われて思わずパッと手を引っ込めてしまった
ますます不安が大きくなって眉毛を下げて上目遣いで彼を見上げた
目の色が不安に変わっていることに気づいて彼は言った
「もういいんだよ、ユウ」
なにがいいんだろう
「ごめんね、ユウ」
ごめん...ってなぁに?
なんだか分からないまま抱き寄せられた
「ユウ」
彼の唇が少年の耳元で震える
「うぁ...?」
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