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君の寝顔が見たいんだ
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最終話 君のことが好きなんだ
「……ッッ!! 僕は処女なんだよ……っ!!」
言った。言ってしまった。
白馬くんはポカンと俺を見ている
その顔は犬に戻った
「……え? あんなにエロかったのに?」
「……うん」
「……あんなに誘い上手だったのに?」
「……うん」
「……じゃあなんで俺?」
「……ぃや……白馬くんはモテモテだし、
これで気持ちよくしたらまた僕のこと見てくれるんじゃ
ないかって思ったから……」
そうしなきゃ僕のことなんて見てくれないと思った
あぁもう恥ずかしい
慣れている振りをしたかったのに
そのうちの1人なんだって言おうと思ったのに
皆にモテモテの君を独り占めしたかっただなんて
言いたくなかったのに
カラダで釣るなんて汚い考えを知られたくなかったのに
もう顔を直視できない
「……可愛い」
「……え?」
「だって俺の事好きで……はぁ可愛い……
だからこっち向いてくんないのかぁ……」
ヘナヘナと白馬くんはその場で顔を隠した
でも隠されていない耳たぶは真っ赤になっている
もしかしたらさっきのは嫉妬してくれていたのかも
そう思ったら自分の耳たぶも熱くなってきた
そしてへの字にまゆを下げたまま白馬くんは
俺を抱きしめた
「は、白馬くん!?」
「……そんなことしなくても俺は夏樹のこと好きだよ
きっと、隣の席になった時からずっと好きだった」
その言葉に胸が騒ぐ、好きでいてくれたんだ……
そしてぎゅうぎゅうと締め付けられる
「白馬くん!!くるじぃ……」
悶えていると白馬くんはにっと笑った
「……今からは恋人同士なんだから爽太って呼べよな」
「ええ!?恋人...同士……?」
やばい、うれしすぎる
「なんだよ……いやかよ……」
白馬くんは拗ねたような顔をした
……返事しなきゃ!
「な、なってあげてもいいよ……っ」
はぁ、全く自分の口なのに全然いうことを聞かない
だけど満足げに白馬くんは笑った
「ははっ素直じゃねぇやつ。
順序間違えたけど……これからよろしくな夏樹」
「よろしくね……そー...た……?」
その瞬間口を塞がれる
外では野球部のスイングの音が聞こえる
今年の夏は始まったばかりだ
終
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