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俺が驚いていたのも束の間、次の瞬間には、アツキの表情は、いつも通りの気だるい感じに戻っていた。
「そっか…なら、終わらせて、帰ろうぜ。」
アツキはサッと俺から目を逸らすと、辺りをキョロキョロと見渡した。
「つーか、あいつらまだ居るのか?」
言葉に合わせて、俺も辺りを探る。
なぜだか心臓が高鳴ったままで、頭を振ってそれを落ち着かせたかったと言うのもあった。
「あ…居るよ。まだ…」
呆れた口調のアツキの視線をたどると、クレープ店があるフードコートの片隅で、三人が身を寄せながらニヤニヤとこちらを見ていた。
携帯電話を構えている。
恐らく録画中なのだろう。
さっきの痴話喧嘩に見えなくもないやり取りは、三人にとってさぞ面白いイベントだったに違いない。
うんざりした事で高鳴った心臓を急速にクールダウンさせてくれたのは、まあ有難いと言えなくもない。
「どうする?撒く?」
意外な言葉に俺は、目を更に丸くしてアツキを見上げた。
「撒くって言ったってどうやって?」
「いい考えがある。」
首を傾げる俺をゆっくり見下ろすと、アツキはニヤリと微笑んだ。
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