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やっちゃった……。
早々に罪悪感を感じながら白濁に塗れた手をだらんと投げた。
いろんな意味でやってしまった。
発情期が来れば嫌でも局部を擦り続けないといけないというのにこの無駄打ち。
尽きてなくなってしまいそうだ。
なんせ19の正常な男の子。
椿の性欲は発情期ではなくとも有り余っている。
――ぴろりん
顔の横で軽快な音を立てる携帯に、椿は大きくため息をついた。
土井さん、お風呂から出たんだろうか。
顔を合わせられない。
合わせないけど。
ていうかもう土井智という文字すら見れない。
ああ俺はなんてことを。
土井さんに突っ込まれる妄想をしてイくなんて。
しかも会って当日。
貞操観念とかどうなんだよ!
淫乱じゃないぞ俺は……。
バタバタと左右に転がってああと声を漏らす。
元はといえばこんなに魅力的な土井さんが悪いんだ。
だからおかずにしちゃうのは仕方ないっていうか……。
ガシュガシュと箱からティッシュを数枚取り出すと、ゴシゴシと手をぬぐった椿。
ついでに濡れてしまったそれらも拭くと、丸めてゴミ箱に投げ入れた。
罪悪感と爽快感がせめぎあっている。
脱力感で体は重い。
土井さん、ごめんなさい。
椿は言い訳をやめると智に心の中で素直に謝った。
そして、携帯を持ち上げてラインのメッセージを確認した。
椿の予想の通り、智からメッセージが届いていた。
椿はそれを開く。
『お風呂から出たよ。椿くんはお風呂入った?』
「いいえ、まだです……っと」
土井さん、ホカホカなんだろうな。
きっとボディソープの匂いとかして……。
髪とか若干湿ってたりして。
椿は昼間会った智を思い返しながらうっとりと目を伏せた。
するとすぐに持っていた携帯が震える。
『入ってきなよ。明日は何限から?』
メッセージを読んでから空に視線を投げて考える。
明日は2限だっけ?
椿はそんなことを考えながら「2限です。」と打ち込んだ。
たったの四文字だ。
本当はもっと沢山打ちたいけど、ドン引きされるのは嫌。
本当は通話の続きも期待していたりする。
自分から言ってしまえばいいのだけど、なんとなく迷惑ではないかとこらえてしまう。
察してくれ、なんて察してくれるわけがない。
胸を軽くとくとくと言わせながら、「電話の続き」と打っては消しを繰り返している。
そうしていると、新しいメッセージが送られてきた。
『じゃあそろそろ寝るのかな?僕も明日早いし、そろそろ寝ようと思う。』
上部に表示されている時間は日付を超える少し前の時間を表示していた。
え?もう?……
もっと話したい、けど……土井さんはもう寝る時間なのか。
椿は最後の文面に少しさみしさを覚えたものの、素直に「わかりました。」と返した。
そして、もう一つ「明日もお話したいです。連絡してもいいですか?」と付け加えた。
『もちろんだよ。待っているね。じゃあおやすみ。お腹出して寝ちゃダメだよ。』
優しい文面。
何故かその文字が椿の頭の中では智の声で再生されて、椿は胸をときめかせた。
おやすみなさいとなるべく落ち着いた文面で返すと、そのままラインを閉じた。
椿はいつも3時を過ぎてから寝付く。
なのでまだまだ寝る時間ではないのだ。
しかし、気分の良くなった椿はそのまま寝ることにした。
土井さんの夢でも見れたらいいなぁ。
椿は携帯をベッドの上に投げると、お風呂に向かった。
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