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温かくて、ふにゅっとしてて……額と鼻あたりに感じるくすぐったい感覚。
俺今何してる?
目を見開いてみても何も見えない。
椿は軽く身じろぎをしてみた。
すると、ぐいと腰をなにかに引かれて体の全面がなにかに触れた。
……俺、キス、してる?
……土井さんに抱き寄せられてる?
「……っ、ぷ、は」
やっと離れたと思ったら、智は近距離で椿を見つめていた。
椿の脳は突然のことに何も処理しきれていない。
「これ以上言うならもっと凄いキスしちゃうよ。」
体が少し押されて、椿の背中は冷たい金属に触れた。
後ろにあるのはロッカー。
智は椿の肩をそこに押し付けると、抑えていた手をロッカーに滑らせ完全に椿を逃げ出せないように囲った。
椿の目と鼻の先には少し怒ったような顔をする智。
完全に壁ドンの体制になっている2人。
「土、井さん……」
「それともして欲しいのかな?」
触れそうなほどに顔を近づけられて、椿は唇を軽く震わせた。
やっと自分がどんな状況に置かれているのか理解してきたようだ。
椿はだらんと落としていた手を後ろのロッカーに這わせると、後ずさりするように体を後ろに擦り付けた。
ドクン、ドクン、と鳴る心臓。
体が熱い。
下腹部がじんわりと熱を持って、あらぬ所からとろりと液体が流れ出る感覚がした。
「は、……っんぅ、……っ!」
押し付けられる唇に、椿は思わず背伸びをした。
噛み付かれるようなキス。
何度も角度を変えながら、閉ざしていた唇と歯をこじ開けられ熱い舌が侵入してくる。
ぞく、ぞく、と快感が恐ろしいほどゆっくり下から上に上がってきて思わず身震いをする椿。
気持ちいい……なにこれ。
すごく気持ちいい。
全身をゆるい快感が包み込み、甘く痺れる。
「は……ふぅ……ん、ぅ……」
くちゅくちゅと口の中をかき回される感覚を感じて、その唾液の甘さにゴクリと喉を鳴らす椿。
力の入っていた体からはどんどんと力が抜けていく。
耳から入ってくる水音に、脳まで犯されている。
もうダメ、立っていられない。
気持ちよすぎて、無理。
椿の膝がガクリと落ちたと同時に終止符を打ったキス。
慌てて椿の腰を抱いた智の顔は、あの前に見たような捕食者の顔をしていた。
してやったり顔。
そんな顔みて椿はまた心臓を高鳴らせ、脳が沸騰するような感覚を覚えるのであった。
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