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「はー、最悪。最悪、ほんと最悪。」
「お前最後善がりまくってた癖に」
炎天下の元で椿は、はーーーーと盛大な溜息を吐いた。
ヤってしまった。
後悔しても後の祭り。
結局この男とするのは勝手知ったるせいか気持ちよすぎるのだ。
どこをどう触れば俺が騒がなくなるのか知ってる。
どう丸め込めば流されるか知ってる。
ここまで思い知らされたのは初めてだ。
なぜなら発情期以外で裕人とセックスしたのは初めてだからだ。
「昼飯お前のおごりだから」
「はいはい」
「俺今ピザとハンバーグとグラタンが食べたい気分ーー!」
「給料日前なんだけど。」
「知らねーよ」
フローリングでしたからか腰が痛い、肘が痛い、膝も痛い。
椿は体の各所の痛みを自覚しながら、隣でスッキリした顔をしている男を睨んだ。
「あれ?椿くん?」
椿が一発殴ってやろうとでも思った時だった。
椿の耳に声が届いて椿は顔をそちらに向けた。
「あ!土井さん!」
その声の主は昨日椿とデートした相手智だった。
椿は一瞬にして喜びと罪悪感を感じると、ぎこちない笑みを浮かべた。
「行動範囲一緒だから会っちゃうね。お友達とお昼ご飯?」
「あ、はい。そうなんです。」
椿は肘でつつくというよりもどつくと言った感じで裕人の横腹を刺激した。
「こんにちは、荻野裕人です。」
「こんにちは、土井智です。」
「あっ、土井さんは?土井さんもご飯ですか?」
「うん、そう。」
むすりとした顔で挨拶する様子に椿は眉を寄せる。
こいつ、いっつもそんなんじゃないくせに。
椿は智に見えないように裕人の背中を思い切り抓った。
「イッ!」という呻きと共に思い切り睨まれた。
しばしの沈黙が流れる。
智は二人を眺めると一瞬だけ無表情になった。
しかしすぐに笑顔を作り直すと、辺りを見回した。
「んー、これも何かの縁だし、みんなでご飯食べる?」
「え?!そんな!」
そんな智の様子にほんの少しの違和感を覚えた椿だったが、智の提案に発言とは真逆に嬉々とした表情をつくる。
「いいよいいよ。みんなで食べた方がご飯って美味しいしね。」
「いいんですかー!」
「いいかな?えっと、裕人くん。」
「はい。」
隣で聞こえる裕人のむす、とした声に、抗議したくなる椿だったが智とご飯に行けるというので見逃しておいてやった。
椿はスキップしたくなるのを堪えながら先を歩く智に着いていく。
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