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第1章 1
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「えー?何で何でー?いいじゃんかー」
電話片手に歩いてく俺こと、雨月 海石榴(あめつき つばき)
今の電話相手はこの前バーで知り合った奴
因みに男
「別に金目当てじゃないってー。ね?いいでしょ?ねえー」
もう一つ言うと、今、一晩抱いて欲しいと頼んでるところ
まぁ、一回ヤると二回目はないのくらい知ってるけど
「ねーえー……。…切れた」
知ってて、電話をかけまくる
別に愛が足りないわけじゃないけど
今日の気分が、そんな感じなだけ
「ちぇっ。……あ、着いちゃったよ…」
大通りの裏路地にあるバー『Starry sky』
俺の友人で恋人(仮)のトア(時雨山 永愛・しぐれやま とあ)が経営してる
扉を押して入る
ベルの音が、小さく響いた
「トアぁ?もぅ俺死んじゃうよぉ?」
「……そ」
「…ひどいなぁ」
トアはいっつもこんな感じで
俺を突っ撥ねる癖して、本当に甘えたいときは必ず側にいてくれる
いわゆるツンデレだよね
「…〈コトッ〉何時のもな」
「あ。ありがと。…ね、トア?夜空いてる?」
「嫌だ」
「アハハ、バレた」
「……」
「………ね、このカクテルいつもと違うでしょ」
一口飲んで、そう言えば
肩をすくめるトア
其処まで酒は好きじゃないから
甘いカクテルしか飲まない
今日のは少し強い
でも、何となく丁度良かったかも
「…ね、これ何色?」
「青」
「へぇ、いつもと同じに見えるけど」
「……何時もはピンクだろ」
「そうだっけ?アハハ。…色なんて分かんないもん。いいじゃんか」
組んだ腕に顔を埋め
下から、グラスを見上げる
光に透ける液体も、その先の光の色も
俺には、分からない
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