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「で、結局なんだったんだよ」
俺の方が逃げようと暴れたせいで疲れてるはずなのに俺よりも疲れたような顔をして頬を赤らめては福田を見るとなんだか悪い気持ちになってしまって小声で呟いた
「コーヒー…」
「コーヒー?」
「俺、猫舌で、勢いよく飲んだから舌が痛くて、ちょっとそれで唸ってただけなんだよ」
今冷静になって考えるととてもくだらない事で意地を張ってたと思い知って恥ずかしくなる。子供か俺は。
「…ちょっと見せて」
「え?」
「舌」
「?んッ…!」
無理やり顎を引かれて少し上を向かせられる。
その表情はなんだか少し心配しているように見えたのは、俺の都合のいい様に見てるだけかもしれないけど、そう見えて、素直に口を開いて舌をペロッと出した。
「あー、ちょっと赤いな先っちょ」
「ほ?」
てか先っちょって言い方してる福田がもうレアな気がする
とかめちゃめちゃくだらないこと考えてしまった。
「それ、そう?って言ってるつもりなんだよな」
コクっと小さく頷く。
口を開けているせいで上手く話せない。
「エロ…」
ボソッと何かを呟く福田。
今日何回目だよ、いい加減超気になってくるじゃんか。
「はんて?」
「なんでもねーよ、そのくらいなら大丈夫そうだな」
「おわ、いきなり離すなよビックリした」
何をそんなに心配しているのか、ぶっきらぼうの癖に優しいよなぁ福田は。その優しさにあぐらをかいて、俺は自分の事を何も話してない。福田の話も聞かない。
福田から話してきたらいくらでも聞いてやろう。そう思ってはいる、ただ話してくれた時俺の話は出来ないことにきっと悲しくなると思う。だから
これでいい、これでいいんだ。きっと。
「?何暗い顔してんだよ」
「なんでもねぇ」
そう言って俺は少し冷めてぬるくなった俺には丁度いい温度のココアをゴクッと飲んだ
やっぱりふわっと香るココアの優しい匂いと甘い味は俺の荒れて戸惑っている心情を落ち着かせてくれた。
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