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そのまま二人で屋上でだべったり、スマホのゲームに興味津々な充にやらせてやったり、充が朝コンビニで買ってきたというお菓子を食べながら動画配信見たり、それはもう本当に学校にいる意味を疑われることしかしてなかった。
「お前、授業受けなくていいの?」
「福田だって受けてねぇじゃん」
「俺はいいんだよ」
「ヤンキーだもんね」
「不良だつってんだろ」
「だから何が違うんだよ」
なんてくだらない話をして、結局いつも受けない理由は
はぐらかされてしまう。
まだ信用はされてないのかと少し悲しくなるが、仮じゃなくちゃんと付き合えた時に聞けばいいかと思っていた。
「今日は俺、帰るよ」
唐突に言い出す充。きっと晩御飯を"家族"と食べるだろうからと遠慮しての言葉。でも、
「いや、来てくれよ」
真っ直ぐ充を見つめて言う
時間まで1人の方が緊張しそうだし何より、気のせいかもしれないが、そういった充の顔が寂しそうで、つい引き止めたくなってしまった。
「何時に約束なの?」
「7時半、だけど」
「じゃあ、いつも通り5時半までいても邪魔じゃないな」
何気にしてんのかと思ったけど、そういう事か
「なんでいっつもそんなに早めに帰るんだ?」
いつも充は5時半に帰る。もう少し居たそうにするくせに。まぁ漫画を読みたいだけかもしれないが!別に俺と居たいからだろうとか勘違い野郎にはなってない。
充は「ん~~~」と唸ったあと「6時に夜ご飯を作って貰っているから」と教えてくれた。
こいつの家は規則正しいんだな、毎日同じ時間に晩御飯を食べてるなんて、お母さんがしっかりしてるんだな
元々、うちもそうだったんだ。
それを、今日は、頑張って元に戻すんだ。
─────キーンコーンカーンコーン
放課後を知らせるチャイムがなる。
帰りのホームルームには出ないとカバンが取れない。
逆に、朝のホームルームにカバンだけ置いておけば先生たちが勝手に出席扱いにしてくれているから、カバンは置いておくしかないんだ。
これを特別扱いというか、学校の評判のためというか。
そんなもんだよなぁ。
そう思いながら2人でカバンを取って俺の家へ帰る。
「お邪魔します」
もう俺はこいつの挨拶になれてしまって途中から突っ込むのをやめた。要らないのに、といつも思う。
でもそれを言いながら軽く会釈をする充の姿が儚くて、綺麗で、見ていたいとも思う。
俺のベッドまで行って座ってからマンガを読む充
今日はTwoPeaceお読みになりますかそうですか
頑張って世界に一つの秘宝を探してくださいな。
あれ今95巻まで出てるけどこいつは俺の家で読みきる気なのだろうか。いつまで来る気だ全く。
まぁ、嬉しいけど
いつもこいつは漫画を読んで、俺はPS4で遊んでる
あまり会話はない。それが日常化していた
「5時半だから帰るわ」
「あ~~、うん。」
いつもより恋しく感じる。
この後の予定に緊張しているからか。
「頑張れよ」
そう言って頭をぐしゃっとされた
こいつに励まされる日が来るとは、な。
「おう、頑張るよ」
ニカッと笑ってやると急に顔を背けられた
「?なに」
「なんでもない」
ふ〜ん、これは
「顔、かっこよかった?」
「うるせぇナルシスト!じゃあな!お邪魔しました!!」
─────バタンッ!
「ふはっ、かわいっ!なにあれ」
帰ってから1人で腹抱えて笑った
いつの間にか肩を張っていた緊張はほぐれていた。
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