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「嫌だった?」
けぃちゃんに頭を撫でられながらコテンと首を傾げる
撫でてる手を美鶴くんが「ペシッ」と叩く
小声で「後で怒られるよ」とけぃちゃんに伝えているが丸聞こえだ。何に怒られるんだろうか。
いや…。嫌だった、かなぁ
「まぁ、驚いた、な」
「じゃあ嫌ではなかったんだね?」
間髪入れずに美鶴くんが突っ込んでくる
恋バナ大好きな女の子ってこんな感じなんだろうか
綺麗に整った顔でずいっと近づけられると流石に少し尻込みしてしまう。唇が近い。
昨日の事を思い出してまた少し体がカッと熱くなる。
けぃちゃんはそれに気づいたのか美鶴くんの方を引っ張って離してくれた。美鶴くんはブーたれてるけど…
「嫌も何も、たまたま福田がそういう気分になった時にそばに居たのが俺だったってだけだろうし」
顔をパタパタと仰ぎながら言う。きっとそれだけだ
それだけじゃなきゃ俺はダメなんだ。
そう言うと3人はなんとも言えない顔をして俺を見た
なんだなんだその顔は。そんなに可笑しな事言った?
「福田さんはそういう事しなさそうだけどなあ」
「そうだよね、大してセフレもいなさそうだし!」
「あれっ、そう考えると福田様ってどうてi「おい」」
「「「うわっっ」」」
あ、来た。
「何の話をしてるんだ?」
おはよう。おはよう福田
3人の前だとなんだが照れくさくて言えない挨拶を心の中で繰り返す。
そして、いつもなら輝いて見える笑顔が今はどす黒い
「あら〜、福田様、おはようございます〜」
美鶴くんはいつも通りニコッとしながら挨拶しているけれど、笑顔がピクピクしてる。ありゃ内心冷や汗もの。
後ろでけぃちゃんも薫もニコッとしながら口を開かない。余程美形の福田様の笑みは怖いらしい。
普段そんなに笑わないもんな。
その代わり本気で笑った顔はすごく無邪気でかわい…
って何言ってんだ俺。ばかじゃないか?
男に可愛いなんて、福田に知られたら殺されちゃうな〜。
「屋上に居ないと思ったら…」
「あ、ごめん。」
約束してる訳じゃないから謝る必要は無いと思うけど、悲しそうな顔をされて思わず反射的に謝ってしまう。
頭に手を置かれクシュッと撫でられる
けぃちゃんは髪をとかすように撫でるけど
福田の撫で方は乱雑で、ボサボサになる
ちゃんとセットしてる訳じゃないから構わないけど、その触られ方はそんなに嫌いじゃない。
でもきっと福田だからじゃないよな、母親とかに撫でられる経験が少なくて、そういうものを求めてるだけだ
だから特別なんかじゃないんだよな。
撫でられてる時の福田の顔は俺からは見えない
だから3人が「好きが溢れてるよね!」なんて福田を見ながら言ってたことをこれから先も知ることは無い。
俺の頭にコツンと顎を乗せて
「お前らもう行ったら?」
福田は静かに言ったけど、間違いなくこれは命令だった
3人は「分かりました」「はい!」「すぐ消えます」と口々に了解の意を述べてからそそくさと消えてしまった
えっ、俺まだ二人きりになる心の準備終わってないよ?
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