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「で、一般的に恋人って何すんの?」
CMとか、ドラマとかでしかそういう知識を得てこなかったから分からないんだよな。
そういうと福田は絶句したような顔をして
「それ、マジで聞いてんの?」
「え、なんで?」
「それ聞いてくるやつってなかなか居ないだろ」
「あー、外の世界のこと、あんまり知らないから」
そう言ったあとに「しまった」と思ったが、ぽつりと呟いた言葉を福田は聞き取ることができなかったみたいで不思議そうな顔で俺を見ている。
「で、何すんの?」
この際だから恋人とゆう関係を楽しんでしまいたいわけでしてね。でもよくわかんないんだよね。具体的に何すりゃいいんだろう?
「何すると思う?」
まさかの質問返し。福田はなんかニヤニヤしてるし、その顔殴りたいからやめて。
「んーとなぁ、手をつないだり?抱き合ったりとか?あ、あと、その、キ、キス?」
テレビの人は、うん、してた。
花よ〇男子みたいなイメージでいいのかな
わかんねぇけど。
「まぁ大体あってるな。」
福田は何がおもしろいのかまだニヤニヤしてて、
ん?え、ちょい待て??
恋人のフリ、なんだからさ、本当にしたりしないよな!
き、キスとか、ありえん!ありえん!!無理っす!!死ぬっす!!今までこうゆう話をする機会がなかったせいなのか異常に脈が早くなってしまっている気がする。
「よ、よかったよ。当ってて」
「顔赤いけど何を考えてた?」
まだ、ニヤニヤしてる福田に言われて頬に手を添える。んー、熱いな?熱でもあんのか?でも熱の時みたいな感じじゃないし、なんだこれ?
「顔、赤い?」
「は?おい!無自覚かよ!!真っ赤だわ!」
「しゃーないじゃん!だって」
こんなこと考えんの、初めてなんだから
そう言おうとして口を閉じる。ダメだ。言ったらダメ。伝えて同情なんてされたら本気でこいつを殺すかもしんねぇしー。同情したら、腫れ物に触るかのように異常なほどの特別扱いか、めんどくさくなって離れていく。
そうなるのは目に見えてるし、今までそんなのしかいなかったし。俺は消えてしまうから、教えても無駄だしな。
それなら伝えないで楽しいままでいたい。
そのくらいの贅沢、させてくれよな。神様。
「だって?なんだよ?」
黙り込んだ俺を不思議に思ったんだろう、俺を心配するように顔を覗き込んできた。
「だ、だって世間知らずなんだよ俺!」
く、苦し紛れな言い訳だな我ながら。
そう考えながらもこれしか思いつかなかった
「ふぅん?それにしては度が過ぎてるよな〜」
「そう、かも?」
「ま、最初はフリでいっかぁ」
「?」
俺のことをじっくり見たあと何かをつぶやいたような気がしたけど、気のせいか?
「じゃ、教室戻りますかー」
「なんでそうなるんだ」
今戻ったら絶対ザワザワするだろ!まだ授業すら始まってないから絶対混乱の渦だろうし。こいつ発言むちゃくちゃだったから。ひぇぇ、戻りたくねぇえ
「なんでって、お前が俺の恋人だってことを周りに教えないと意味ないだろ」
それ、俺への被害が拡大するだけじゃないっすかね?殺すつもりか?やっぱ俺の事嫌いだろこいつ
そう考えていた俺の腕を掴んで強引に「いくぞ」っと言って引っ張った。正直軽く痛いです。はい。
てか、本当に行くのかよ?行きたくないなぁ。
陰口とかも今より酷くなるだろうし、地味にひっそりと高校満喫したかったんだけどなぁ。
まぁ、学校一のイケメンさん。福田涼太に関わっちまったんだ。それはもう無理なんだろう──
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