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19 後戻りのできない友人
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めんどくせぇなぁと思いながらも充のためだしと思ってここに踏みとどまっている俺は本当に馬鹿だと思う。
「別にいいけどよ」
「ホントに!?」
「多分、充は、そっちのが喜ぶし」
「なんだか、変わりましたね福田様」
「気のせいだし、"様"言うな気持ちわりぃ」
「まっ!良いですけど!じゃあ頼みました!」
「へーい、だるいなぁ。ったく」
──翌日の昼休み
珍しく教室で飯を食ってたんだが、相変わらず病院食にしては美味しいんだよなこの弁当。大好物のだし巻き卵を食べ終えて心の中で「ご馳走様でした」と呟く。
お弁当の蓋を閉めて片付けようとしていた時
「ちょっと来い」
いきなり福田が目の前に来て腕を掴んで無理やり教室から連れ出した。
この道、屋上へ行くのか?
「なんなんだよいきなり」
「……」
おい無視か??ったく、本当になんなんだ。
案の定屋上まで来ると、扉の前でため息をついて福田は歩くのをやめて止まった。
「開けるぞ」
いつもそんなこと聞かないのに、何かあるのか?
「お、おう。」
少し緊張しながら答えるとガチャリと音を立てて屋上の扉が開く。開けると屋上に居る人を認識して固まってしまった。思わず後ずさりそうになった。
「ほら、行け」
「ちょ、押すなよ!」
屋上にいたのは前に呼び出してホースで水をかけられそうになった例の3人。俺が屋上に入ると近づいてきて思わず身構えてしまった。
また何かされるのか?福田も協力して?
なんて疑ってしまったけど、
「「「この前はごめんなさい!!!」」」
それは、どうやら違うらしい
「えっ?」
思わず声に出して驚いてしまった。もうなんだか土下座をするのではないかという勢いで頭を下げられている。
どうしたらいい(真顔)
「この前は、ごめん。福田様が「おいやめろ」福田、さんがお付き合いされると思ったらずっと好きだったのは俺なのにってすごく悔しくて、どうしても誰かのものになって欲しくなくて、八つ当たりをしてた。ごめんなさい」
福田様と言った時点で舌打ちをして辞めさせる福田はやっぱり強いと思う。俺ならスルーする(((そこじゃない
えっと、つまりこれは反省して謝ってくれてる、ということでいいんだろうか。後ろの2人もなんだかとても気まづそうな顔をしていて少し可哀想だ。
「俺は、気にしてないからいいよ。俺なんかより福田はビチャビチャになったし、出来れば福田に謝った方がいいと思う」
それを聞いて少し驚いた顔を福田とボス(仮)がしたけど「ごめんなさい」と福田に向けて頭を下げてくれた。
福田は「もうそれ、朝聞いた」と面倒くさそうにそっぽを向いた。
「相変わらず福田様はお優しい」
「福田様じゃねぇ」
「失礼。癖が治らなくて。と、まぁ謝りたかったのも嘘ではないし、謝ったからいいますけど、僕とお友達になっていただけませんか?充くん」
ボス(仮)が俺に向かって笑顔で話しかけてきた。
思ってもみなかった展開に漫画なら目がきっと点になっている勢いで「えっ」と叫んだ。
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