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Part 2―2
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俺達の目の前まで来た転入生は、どこからどう見ても毬藻だった。
クラスのみんなが唖然とする中、転入生が口を開く。
「俺は兎在柚希!よろしくな!」
「え?なにあのダサい眼鏡?」
「オタクじゃん」
「よろしくしたくねぇー」
転入生を見たクラスの反応は批判的なものだった。
この学校では見た目がモノを言う。
生徒会が抱きたいランキング・抱かれたいランキングの上位で構成されてるのが、いい例だ。
転入生があんな見た目じゃクラスから、いや全校生徒からも受けいられないだろうなぁ。
中身云々の前にね。
「兎在、お前の席は~......後ろの窓際から2列目の空いてるところだ」
「おう!それと聖夜!俺のことは名前で呼べって言っただろ!」
「ぎゃあーっ!」
「なにあの毬藻!調子乗るな!」
「気安く呼ばないでよ!」
「なんで名前呼ばないんだよ!ホストぉー!」
あ、最後のは翔だ。
俺の前でorz になってる。
「いい加減にしろ」
転入生は聖ちゃんの睨みにしぶしぶ自分の席へ向かった。
あれ、なんかこっちに来てるんだけど。
...俺の隣かぁ~。
転入生が隣に座るのはいいけど、あのウザさに絡まれるのは嫌だな。
なんて、近づいてくる転入生を見ながら思う。
ふと、視線があった。
その瞬間、転入生は驚いたような顔をして俺を凝視してきた。
「...俺の顔になんかついてるぅ~?」
凝視したまま動かない転入生にそう聞くと、急にこっちに近づいてきた。
「ふぇっ、なにぃ?」
「なあなあっ!お前、名前なんていうんだよ!」
「名前ねぇ、八神だよぉ~」
「名字じゃなくて、名前を教えろよ!」
「...なんで君にぃー、名前まで教えなくちゃいけないのかなぁ?」
「俺達友達だろ!友達に名前を教えるのは当然なんだぞっ!」
一体いつ、お前と俺が友達になったんだよ。
こいつは宇宙人かなにかなのか。
兎在なんて名字、こいつにはピッタリだ。
でもこういうタイプはしつこそうだから、適当に応えといた方がいいかな。
「名前はねぇ、太郎っていうんだぁ」
「太郎か!いい名前だなっ!」
「ブフォッ!ww 」
え、信じるの?
こいつ、本物のバカだ。
翔だっておもいっきり噴いてるし。
クラスのみんなもポカンとしてる。
そんなカオスの中で、次の転入生が言った言葉に
頭を鈍器で殴られた気がした。
「お前、なんでつらそうに笑うんだよ」
─ああ、今日は厄日か...。
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