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「あの、ここ。本当に晴山さんが来たかっただけですか?」
ふと、そんな事が浮かび、素直に質問した。
「んー?あー…まぁ、」
肩肘をついていた晴山さんは僕から目線を外しながら言った。
「……強いていうなら、裕太君が爬虫類好きだと分かったからかな」
「えっ?」
晴山さんの言葉に驚く。
だって僕は晴山さんに、一言もそんな事は言っていない。
なのになんで……
「あ、わかんない?裕太君の部屋、爬虫類の本とかグッズでいっぱいだったのに。」
晴山さんはクスクスと笑いこっちを見た。
「……そ、そうだった……」
あんなに『大好き』って丸出しの部屋で分からないわけがないか……。
「裕太君と共通の趣味が見つかって嬉しいよ」
ふわりと笑い、本当に嬉しそうな顔をする。
その顔には……弱い……。
「僕も……」
「え?」
無意識に言葉が出ようとして、聞き返しにハッとした。
「ぁ、いえ、何でもないです」
「気になるじゃん。言って?」
テーブルの上に置いていただけの左手に、晴山さんの手が重なった。
それだけで跳ねる心臓はどうにかならないものか……。
「僕もっ……共通の趣味…見つかっ…ぅ、れしいなー……なんて……」
フォークを持った右腕を顔に寄せ、熱くなっている顔を晴山さんから隠す。
といっても、腕が隠せる面積なんてたかが知れてるけど……。
けど、隠さずにはいられないもん。
「かっわい……」
「へ?なんて、言いました?」
呆然と僕を見ていた晴山さんは何か呟いた。
又しても聞き取れない。僕耳悪いのか……?
「ううん」
あの固まった表情は直ぐに笑った。
なんでも誤魔化すー……。
「俺ね、今日裕太から手を繋いでくれて、嬉しかった。」
そう言った晴山さんは重ねた手を、指を絡めて恋人つなぎにした。
「っ、あれは、勢いというか、その、」
そういえばそうだったぁー!!
あんな、終始はしゃぎまくりの高校生とかないわー!!
しかも自分から手をつなぐとか何恥ずかしいことしてんの僕ー!!
顔が更に赤くなる。それは自分でも止められない。
繋がれた片手は行き場のない。
覆った右手じゃ足りない。
今の僕の羞恥は丸出しだ。
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