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爬虫類館を後に、晴山さんはまた車を走らせた。
「次は何処に行くんですか?」
横を見ると、窓から入り込む風が、晴山さんのサラサラとした髪をなびかせた。
「……イケメンが……」
僕は聞こえないように呟いた。
「ちょっといいとこ?」
ふんふーん♪と鼻歌を歌いながら上機嫌だ。
くっそ……何やっててもカッコイイ……。
僕は抱えていたリュックをギュウウっと抱き締めた。
それを愛おしそうに見る晴山さんなんて知らなかった。
車のディジタル時計に目をやると、表示されている数字は
18時43分
もう、そんな時間なんだー。
今日は時間が経つのが早い。
楽しかったからかな────。
それとも、
晴山さんといたからかな────。
すると、晴山さんは車を1箇所に止めた。
「あれ、潮の匂い…?」
窓から入る風の匂いが変わった。
ふと顔を上げると、潮の香る源はみえないが、
ザザン──ザザン────
波打つ音が聞こえた。
「海…?晴山さん、海ですか!?」
ばっと隣を向くと、柔らかい笑顔を浮かべてこちらを見つめていた。
その顔にハッとし、自分が少しはしゃぎ気味だった事を振り返る。
ああああああ────っ!!
子供過ぎた?
さっきみたいにはしゃぎ過ぎた?
引いた?
ほっぺたを両手で覆い、チラリと晴山さんを見ると、目が合った。
気づいた晴山さんのその目は優しくふわりと笑った。
っっ────!!
駄目だ……。
カッコよすぎる……。
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