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side結斗
しばらく楓が何を言ったのか理解できずに口をポカンと開けて間抜けな顔を晒してしまう。
「………… ?え?」
「だから、あんな人やめて僕と付き合って」
困ったようににっこりと微笑む楓に思わず顔が熱くなる。
俯き加減に俺を見ているため上目遣いに見える。
「…で、でも俺ら兄弟で」
そうだ。男同士と言うだけで世間から白い目で見られるのに、そもそも俺らは兄弟である。
こんなこと許されるわけもない。
「んー、男同士ってだけでも世間からよく思われないの
なら兄弟って事くらいどうでもよくない?」
「は!?」
思わず大きな声が出て慌てて口を押さえた。
顎に人差し指をあて考えてる風に頭を傾げていた楓は、「兄さんそんなおっきい声でたんだね〜」などとのんきに言っている。
「…楓のその色々吹っ飛ばした話はどこからでて来るんだ?」
頭の上に疑問符を浮かべている義弟にため息をついた。
「だってさ、誰からもよく思われないなら一緒じゃん」
さも当然といった様子で言い切る楓に、思わず「そうか」などと納得しかけた。
「てか、もしそうだったとしても、俺が楓のことどう思ってるかなんてわからないだろ?」
どうして自分にしろだなんて自信満々に言えたのか。と問うと、
「あぁ…それもそうだね〜、
殴るような人よりはマシかなぁって思ったけど、
好きになってもらわないと始まらないかぁ…」
と、ボソボソ呟き始め嫌な予感がする。
そもそも恋人のことを話すつもりもなかった俺が、いくら迷惑をかけたとは言え急に告白(?)されてよし付き合おうとはならない。
何とかして諦めて貰おうと考えを練っていると
「よし!僕兄さんに好きになってもらえるように頑張る
から、僕のこと好きになったらあの人と別れて
僕と付き合ってよ!」
嫌な予感的中…。
「まて!考え直せ!」と声をかけても、「作戦を練るぞ〜」と言って楓はそのまま学校へと先に家を出て行ってしまった。
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