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しばらくして、結斗さんは「大学のレポートをする」と
顔を赤くしたまま自室へと逃げるようにいってしまった。
2階からバタバタと廊下を走る音がした後、
バタンと結斗さんがドアの閉める音がする。
(なんで、あんなに可愛いんだろ…。)
真面目に考えながら携帯の電源を入れると、鈴木遥からの返信が来ていた。
『今日は宅配ピザ。』
なんだ…
結斗さん以外どうでもいいわけじゃないんだな。
完結に今日の夕食を知らせる返信が来てホッとした。
こんな世間話ですら取り合ってもらえなければ、わざわざ連絡先を教えた意味がなくなってしまう。
僕はあいつを、鈴木遥を救わなければならない。
その手段の1つのこの連絡が無効なら難易度がグンと上がる。
返信を打つ。
ピロン
『ピザはカロリー高いですよ〜( ^ω^ )』
ピロン
『うるせぇ!鍛えてるから問題ないんだ。d( ̄  ̄) 』
「ぷふっ、顔文字… 笑笑」
向こうからも普通の反応が返ってきて嬉しい。
というか、あの図体で顔文字使ってると思うと笑える←
ひと通り笑った後、少し考えながら指を動かす。
「………」
『今度、兄さんについて色々聞きたいんですが
ご予定の空いてる日はありま_ 』
途中まで打ってピタリと手が止まる。
会って直接話さなければ鈴木遥がなにを抱えているのかがわからない…
けれど、早すぎるだろうか…。
少し画面上で話しただけで相手にされるかもわからない。
削除ボタンを連打する。
『今度、兄さんについて色々聞き_ 』
『今度、兄さんの事で相談があるんですが、
聞いてもらえないでしょうか?』
文を打ち直し、何度か確認して送った。
これなら会ってくれる気がした。
結斗さんへの暴力は事実だが、唯斗さんへの想いも
本物だと思ったから。
これで会いに来なければ、結斗さんを説得する方に移ろう。
優しい結斗さんは傷ついてしまうかもしれないから、気は進まないのだけれど。
そんなことを考えながら、ソファに移動してゆっくりと返信を待った。
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