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結斗さんもどうやら自分の行動の意味がわからない様だった。
僕も急なことに驚いて固まっていると、結斗さんはハッとしたように僕の腕を離して「顔洗ってくる」と顔を背け僕に目を合わせることなく足早に洗面所に向かって行った。
しばらく結斗さんの消えた方を見ていた僕もハッとして、
お弁当の余りを朝食用にリメイクして皿に盛り付ける作業に入った。
(さっきのあれはなんだったんだろう……)
ただ、疑問符が頭の中を埋めていくだけだった。
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太一くんとごはんの約束をしていた昼休みになった。
「ごめん結城、今日は他の人たちと昼飯食って」
結城とは彼女がいないときはいつも一緒に昼飯を食べていたから、一応一言断って太一くんのとこに行こうとした。
「ん?あぁ、あの先輩と?りょーかい!」
あの先輩?
もしかして、校舎裏で告白してくれたあの先輩だろうか?
「いや?後輩とだけど…」
「え!あの先輩に告られる前に他の子に告られてたの!?
全然気づかなかった!」
???
「は?違うけど…」
結城の言っていることがよくわからずに頭を横に倒すと、
「だってお前、相手に恋人がいる以外の理由で告白断ったことないじゃん」
と、心底神妙な顔で言われた。
「…そう言われたら確かに」
その言葉で、今の結城の反応も理解できた。
「確かに…て、あの先輩彼氏持ちだったとかって訳でもないのか?」
僕が頷くとしばらく考えた結城は「まさか」と目を開いた。
「好きな人……できた…とか」
普段のふざけた感じが無い、ひどく深刻そうな顔で結城がそう言う。
「そうだけど…」
どうしてわかったんだろう。
不思議に思いながらもそう答えると、結城は「そうか……やっと楓にも好きな人できたんだな!おめでとう!」と
言って他の人のところに行ってしまった。
「はぁ?おめでとうってどういうこと??」
僕のツッコミも結城には聞こえなかったみたいで、ちょっと虚しい…
結城が気づかないまま他の人と話始めたので、気を取り直して太一くんとの昼飯に向かおうと校舎裏に移動した。
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