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「それでね!そのみかちゃんったらあんずちゃんの…」
彼女の話にうんうん、と頷きながらバレないように横切ったお店のデジタル時計を盗み見る。
…19:47、いつもなら晩御飯を食べてる時間だ。
(結斗さん…もう先に食べちゃったかな…。)
はっ!
べ、別に結斗さんと一緒に食べられないのが寂しいとか
じゃないしっ!
ただ待たせてたら悪いなぁって思っただけだしっ!()
「…ねぇ?聞いてる?」
彼女から話しかけられ、結斗さんのことを考えてツンデレごっこしていたことが猛烈に申し訳なくなって、慌てて
コクコクと頷く。
「もちろん!
みかちゃんがあんずちゃんの唐揚げ取っちゃったんだよね?」
確かこんなこと言っていたはずと、しっかり聞いていなかったことに罪悪感を持つ。
「…うん、そうだなんだけど、」
「…弁当の話聞いてたらお腹すいちゃって
ちょっと集中できてなかったね、ごめんね!」
間違っていなかった事に安堵しつつ、不機嫌そうな彼女の声に顔の前で、ぱんっと手を合わせて謝る。
「ううん!そうだよね、こんな時間だしお腹すいちゃうね」
にこっと笑って話を続ける彼女を見て、なんとかごまかせたようだ。
「そうだ、好きなおかずとかある?」
いつも自分でお弁当を作ってきているから、彼女の分も
作ってあげようかと思って聞いてみる。
距離を縮めるには胃袋を掴むのが得策だ!
我ながら策士だ…ふふふ。
「え、おかず?
…うーん、あ!シュウマイが好きだな!」
「シュウマイ!作るの簡単だし美味しいよね!
明日作ってくるよ!」
「え…?シュウマイを、作って、くれる、の…?」
「うん!他に好きなものある?」
「え、や。特には…
…あ、ありがとう……。」
彼女が少し引きつった顔をしている気がするが
きっと嬉しすぎてうまく笑えないんだろう!
よぉし、張り切るぞ!と心の中で腕を振るう。
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