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迎合
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それから数日後。どこに行くにもついてこようとする隼人を撒くのにはかなり骨が折れた。
黙ってどこかへ行こうものならどこで誰と何をと逐一報告させられる。お前は一人娘持ちの過保護な親か。
そんな隼人を止めるでもなく斗真は面白がって見ている。誰かこいつらをどうにかしてくれ。
そして今日も昼食をとるために一人で食堂に向かおうとすると、隼人がすかさずに、どこに行くんだ?と聞いてくる。
「.........食堂だ」
「だったら俺も」
「ついてくるな」
「何でだよ、一緒に食べた方が美味いじゃん」
「......ここ最近四六時中お前と顔を付き合わせていて疲れてる。...もしもついてきたら、しばらく口をきかないからな」
そこまで言い切って隼人をじろりと見つめると、隼人はまだ納得がいっていないようだったが、大人しく自分の席で昼食をとり始めた。
隼人がついてこないのを確認して、俺は食堂へ向かう。扉を閉め、歩き出す。......久々にゆっくりできそうだ。
「.........梓のバカ野郎......」
「あーあ......梓に口きかないって言われたら言う事聞いちゃうんだもんなぁ、隼人は」
「うるせぇぞ斗真!黙って飯食ってろ!」
「はいはいっと。だから言ったじゃん、梓激ニブなんだからちゃんと言葉にしろって。めっちゃウザがられてるじゃんお前」
「......言ったに決まってんだろ......あの眼鏡は危ないから避けろって。でも梓は絶対わかってない。他のヤツなら俺だって文句言わねえよ。でも、アイツは一目見た瞬間からいけ好かない。好きになれねえタイプだ」
「隼人がそう言い切るのって珍しいよな。今までそういうの聞いた事ねえし、人類全員友達タイプかと思ってた」
「俺にだって合う合わねえはあるよ...特に、ああいうよからぬ事を考えてそうなヤツとかな」
「しっかし、一回会っただけでそこまで断言ってすごいよな。何、そんなやばそうなヤツだった訳?」
「だって、初対面のヤツいきなり名前で呼んだりってするか?それに肩組んだりとかさ......」
「うーん......微妙なラインだけど、まぁ、できない事はないんじゃねえの?初対面でもそこまで行くぐらいはさ。だって隼人はそうだったし。俺に、初対面でいきなり名前で呼んできて、隼人の事も名前で呼べって言ってきたじゃん」
「...え、そうだったか...?」
「そうだったよ.........ったく......隼人は本当に、梓が絡むとめんどくせぇな」
「ほ、ほっとけよ!!...だって、梓は、しっかりしてるように見えて抜けてっから、俺が守ってやらないと...何されるかわかんねぇだろ...」
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