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迎合
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食堂について、頼んだ品が出来上がった所で、料理を手に空いている席に座った。
...ここの所何を食べても食べた気がしなかったからな。...隼人が瑛司とはもう関わるなとか何とか四六時中言ってきてうるさかったからな。
...大体、瑛司とまた関わる事なんてそうそうないに決まっている。この学園はマンモス校なんだぞ。待ち合わせや故意に探したりでもしない限り、同じヤツと何度も顔を合わせる事なんて...
「はろー、梓。探したで」
............今のは伏線じゃないから回収するなと言ってぶん殴ってやりたい。聞きたくない声が後ろから聞こえたが、俺は振り返らずきつねうどんを食べ始めた。
「え、いや、無視かいな!?...はー......久しぶりに会うたのに相変わらず冷たいやっちゃな......ま、そっちがその気ならそれでええけどな」
なんて聞こえたかと思えば。いきなり、向かいの席に見たくもないオレンジ頭が座るのが見えた。
「これでも見えてへんフリするつもりかいな?...なぁ、梓?」
「......何しに来た、瑛司」
「いやん、覚えてくれてたんやな。せやで、梓の大親友以上恋人未満の瑛司くんやで」
「お前は他人との関係性すら正確に覚えられないのか?俺とお前は他人以上顔見知り以下の関係だ。それ以上ではない」
「いや、それっておかしいんちゃう!?他人以上なのに顔見知り以下!?...んん...?そ、存在は認識してるけど実際に会った事はないっちゅー話か...?」
「話しかけるな、散れ。人の食事を邪魔するな」
「いやいや、この立派なオムライスが見えんのか?俺も食事しに来てんねん。そんで、梓と一緒に食べよ思てここに来た。どや、理解できたか?」
ドヤ顔をしながらオムライスを食べる瑛司。......相変わらずムカつく顔だ。......隼人がいないと思ったら、今度はもっと面倒なヤツに......
「オムライスを持ってとっとと他所へいけ。俺はオレンジ頭のイカれた野郎と飯を食べるようなヤツだと思われたくない」
「またまた、照れ屋やなぁ、梓は......にしても、梓はきつねうどんかいな。......ええやん。俺、麺類啜ってる人の顔...何かエロくて好きやで」
「......一気に食欲が消え失せるような話をしてどういうつもりだ...?訴えられたいのか?」
「嫌やわ、褒めてるだけやん。...啜る顔もやけど、啜った後少し湿った唇もまたエロいし......それを舌で舐めたりとかもめちゃくちゃ性的やん?......うわ、改めて考えたら麺類全般えっちが過ぎるんちゃう...?俺、大発見してしもたんやないか...?」
「.........お前は今すぐ麺類全般に携わる全ての人間に謝罪した後、責任を取って消え失せろ。二度とシャバの空気を吸うな」
「そんなに!?つうか、途中から梓のただの願望やないんか?!......もー......梓、ホンマに当たり強いわ.........まぁ、美人からならそういうのも大歓迎なんやけどな。...相変わらず美人やな、梓。美人前にしたらオムライスも余計美味く感じるわ」
どれだけ話しても通じない事がわかった俺は、瑛司の話に返事をする事をやめた。...そもそも、いちいち対応するから付け上がるのかもしれない。
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