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風紀委員って?
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「……っはぁー……相変わらず今日も大量だったな、梓」
息を吐きながら椅子に深く腰掛けた笠置隼人が肩を軽く鳴らした。
隼人が動くたびに隼人の銀色の髪が視界にちらつく。耳にした左右2つずつのピアスが光を反射するようにきらめいた。
「春先は浮かれたヤツが多いからな。それに長期休暇明けは一段と増える」
目線は机からあげずに答えると、隼人が、面倒くせぇよなと呟いた。
「……大体、何故あんなに特殊な外見にするんだ。日本男児は黒髪黒目と相場が決まっているだろう」
そう言いながら隼人を横目に見ると、隼人はさりげなくこちらから目を反らした。
「自己主張が激しいよなー。俺みたいに控え目にやりゃいいのになっ」
誇らしげに胸を張るのは八代斗真だ。髪色は金。それもカラフルなピンで左分けにしている。
どの口がモノを言うのかと見つめれば笑顔で誤魔化してきた。……訂正だ。誤魔化されていない。
「つうか、相変わらず梓の発見率っつうの?すげぇよなー……俺と隼人合わせても敵わねぇし」
今日見つけた違反者の名簿を見ながら、斗真がコーヒーを啜り、何かそういう趣味持ってんの?指導室送りフェチみたいな。などと言いながら笑う。
そんな特殊な性癖持ってるわけがないが、そこまで言うなら期待通りにお前を生徒指導室にぶち込んでやろうか。
「そりゃお前、"鬼の桜庭"って呼ばれるくらいだからな」
「だよなー、何か二番煎じ臭い呼び名だけどな」
顔を見合わせて好き勝手言いながら笑っている2人に軽く殺意を覚える。まあ、いつもの事だ。
「お前らの数が少ないのは面倒そうなヤツはスルーしているからだろうが。俺が多いんじゃない」
「……あ、バレてた?」
「ぶっは、だっせぇー、斗真!」
「……俺は、お前らと言ったんだがな、隼人」
「……デスヨネー」
2人がバツが悪そうにしつつもニヤけているのを見ながら、俺は今日何度目だかわからないため息をついた。
これが風紀委員の主要メンバーだと考えただけでため息のループに陥りそうだ。
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