アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺は、普通だ。
-
放課後、宣言通りに隼人に校内の見回りを任せた俺は監視カメラの調子を見るため、校内を回っていた。
何度か壊されていた事があったから警戒している。
次は経費からは出せないと言われたからには意地でもカメラを守ってみせる。
現行犯で捕まえられたら?とりあえず顔の原型を無くしてやる。話はそれからだ。
風紀委員長がそんな事していいのか?愚問だな。
俺達が優先すべきは学校の治安改善、維持であって、生徒を守る事じゃない。と、俺は解釈している。
風紀は慈善事業じゃないし、集団の和を乱すようなヤツにかけてやる情けも持ち合わせていない。
パリーン!!ガラガラガッシャン!!
突然聞こえた音に驚いたのも束の間、今度は悲鳴が聞こえた。
その場へ向かってみると、バットを持った男が暴れていた。…どういう状況だ?
割れたのは窓だったようで、カメラは無事だった。ほっと胸を撫で下ろし、それを悟られないようにバット男を睨み付けた。
「……お前、何をしている」
「……さ、桜庭……?……てめえが何でこんな所に……」
俺の問いかけに答えたのは、バット男と相対していた男だった。
燃えるような赤い髪が眩しい。そのわりには制服は新品のように綺麗だ。……いや、新品か?
……中に着ているものはいただけないがな。何だあのロゴは。意味の無いであろう数字や英語の羅列に一瞬気をとられた。
確かコイツは俺と同じ2年の坂上海里だったか……目だけで不良50人を倒したとか……
目付きが悪い事で有名だったたな。……確かに実物は、中々の目付きの悪さだ。
目が合ったら死ぬというのは誇張されただけの噂だろうが、目だけで不良を退けたというのは真実味が増した。
現にバット男はバットを抱えたまま、無惨に震えている。
「……窓を割ったのは誰だ」
ほぼわかりきった問いかけをすると、その場にいる全員が一様にバット男を見つめた。……決まりだな。
「……お前、窓を割るとはいい度胸だな。そんなに顔を整形されたいか?」
「う、うるせえ!!アイツが悪いんだよ!!」
そう叫ぶと、バット男は坂上の方を向き、今にも暴れださんばかりにバットを振り回した。
「……何だ?何があった」
「お前には関係n」
「誰がお前だ」
「さ、桜庭に何で事情なんk」
「呼び捨てにするな」
「……さ、桜庭、さん、に説明なn」
「そもそも気安く名前を呼ぶな、不愉快だ」
「いやもう頼むからマジで少しだけ喋らせろよ!!」
?……さっきまで、事情なんか説明したくないと言っていたのにな。意外にノリノリじゃないのか、アイツ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 27