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東京レレレのレ 前
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やっぱりなってかだろうなってか、
いつかはこんなことになるんじゃないかと思っていたんだ実際。だって久し振りというか、今まで記憶の端に消えそうなくらい、例えるなら砂嵐の奥で見えるか見えないかの境目の様な映像の如く、僅かにしか残っていなかったヤツの記憶は、突拍子もないことで思い起こされる。
泊めて、なんて久し振り(中学以来だから、もう20年近く)に会った者に言われたら、何と無く『そういった』ことは考えてもしょうがないだろう。だってあまりに不自然過ぎるのだから。だから心の中で、最悪の自体を考えておいていた。もしソレを言われたら、って。もしそうだったら突き返して「二度と顔見せんな」って言ってやろうって。出来ることなら避けたい考えだけど。だって、ほら、あまりにも唐突過ぎたから。
目の前で今さっき吐き出した言葉の返事を待つ河田は、いつも通り眠たそうに瞼を擦っている。さも、何でもないことのように。もしかしたら聞き違いだったんじゃないかって思えるくらいに。
「…今さ、お前、」
「だから『好き』なんだって」
ああやっぱり聞き違いなんかじゃなかった。そりゃそうだ、聞き違いな訳がない。だって聞き違いするとしたら何と間違う?いや、何にも間違う言葉なんてないだろう。だからまあ、聞いた通りの言葉で、眠そうながらも真っ直ぐな瞳から察するにいつもの冗談でも無いらしい。つまり、最悪の自体は避けられなかったようだ。
――好きだと、河田は口にした。
それはいつからかとか、何でそんなキチガイな感情を抱いたんだって、聞きたかったけどこれじゃあまるで、付き合いたてのバカップルがするような質問みたいでぐっと堪えることにした。勿論、俺には河田に対してそういった感情は無いし、変に勘違いされるのは避けたい。ただ、どうしてそんな感情を抱いたのかは、少なくとも知りたい事実の一つであった。
「……はは。オマエ、『何でどうして』って顔してんね」
「な、っにが……!」
「俺がオマエのこと、何で好きなのかとか?知りたがってるんじゃないの?」
「やっめろ!バカ!」
眠そうで気だるそうで、動くのも億劫な様に見えていたけれど本人にしてみれば何でも無かった様で。他者から見て、緊急の時以外は到底動く気なんて無いだろうと思われる様なヤツは、だらりと伸びきっていた腕を此方に延ばしつつ、ゆっくりと上体を立てていく。すとんと腰を下ろし座ったところで、延ばした腕に引き付けられるように、今度は身体ごと近付いてくる。
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