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「こんなとこかな……」
汗を拭いて、冷えピタ貼って風邪薬飲ませて。
呼吸も落ち着いて眠ってる流木にほっとする。
「………………………………」
(……はぁ、この前で最後って思ったのに)
寝てる流木の顔を見ながら、罪悪感が襲ってくる。
早瀬が好きなこと知ってるのに最低だよな。最後、俺からマスク取っちゃったし……。
あああ、死にたいっ!
「……帰ろ」
とりあえず流木も寝たし、茶碗も片付けた。
何より濡れた下半身が気持ち悪い。早く大浴場行こ、そう思ってベッドから立ち上がろうとした。けど、
「!」
グッと手首を掴まれて、またぼふんと逆戻りする。
(っ、なに!)
「……どこ行くの」
「お、起きてたのかよ……」
寝てたと思っていた目が重そうに開いていて。いつもより弱々しいのとやっぱり掠れた声に魔王の風格はなかった。
「起こしてごめん。俺、部屋戻るからお前は寝て、っぅわ!?」
最後まで言えずに掴まれた手首を引っ張られて抵抗する間もなく布団の中に引きずり込まれる。
風邪で弱ってるくせに力あり過ぎだろ!
「ちょ、何すんだよっ」
「るさい。……ん、あったか」
「~~っ」
ぎゅっと抱き締められて、俺の胸元に顔を埋めてくる流木。
やめろよ! って言いたかったのに、先に聞こえてきた寝息に言葉を飲み込んでしまう。
(寝るの早すぎじゃね!?)
「…………はぁ、」
しょうがないな、もう。
嫌いだけど一応病人だからな! ほんとに今日だけ、そう思って俺は流木の頭を抱き締めた。
(てか、今はお前の方が体温高いくせに)
────────────────────────
「──あ、着てる」
悠季くんと別れて、校門から少し離れた場所。
山沿いに路駐する黒い高級車(名前、最初に会った時聞いたけど忘れちゃった)。携帯をコートのポッケにしまって駆け寄ると、ドアが開いてスーツ姿の大庄(おおしょう)さんが出てきた。
「すいません、遅くなっちゃって……」
「いいよ。そんなに待ってないし」
そう言って、助手席側に回るとドアを開けてくれた。
「……ありがとうございます」
会うのは今日で三回目。この紳士さには毎回すごいなぁと思ってしまう。
(他の人たちとは全然違うもん)
きっとそれは社長だからとかお金持ちだからとは別で、大庄さんの人柄な気がする。
「連絡しないで来ちゃってごめんね。大丈夫だった?」
「はい。ちょうど授業が終わった所だったんで」
「………………………………」
流木先輩にも会えなくなったから、ちょうど良かった。
(……でも、相手してもらいたかったな。望みは薄いだろうけど)
一回はしてくれたけど、それ以降は何もなくて。先輩からの誘いも絶対ない。こっちからお願いしても、ダメだった。そもそも誰も相手にしてないって話は周りのファンの子たちから聞いて知ってたから。
多分、未月くんと関係持ってた時くらいには、もう。
(だから、未月くんが一緒ならって思ったんだけど……)
「!」
バタン、とドアを閉めて助手席に座ると大庄さんは体を寄せてきた。
「圭くん、制服姿で会うの初めてだね。凄く可愛いよ……」
「んっ、大庄さん……っ」
首筋を犬みたいに舐めながら、太腿に置かれた手が足の間へと伸びて。ズボンの上から乱暴に揉まれる。
そこにはたったさっきまでの紳士的な大庄さんはいない。
「ぁっ、あん……っ、ここじゃ、だめです……あっ」
ベルトを緩めてズボンの中に手を入れてこようとした手が止まる。
「あ、あぁ……そうだったね。悪かったよ」
「ん……」
大庄さんは僕から離れると深く深呼吸をしてから車を出発させた。
(体、熱い……。はやく、はやく……)
誰かに見られたら危険なのに、一度付いてしまった熱は悪化していく一方で。
(こんな体、憎くて堪らないのに……)
街に着くまで、何度も何度もこれからされるであろう事を妄想せずにはいられなかった。
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