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「おっじゃまーしまーっス☆」
部屋のドアを元気に開けて入って来たのは、北桜祭で会った人だった。
確か、名前は浪江先輩。
「はっ……」
でも、なんで先輩が? そう思っても声にはならない。少しだけ首を絞めていた齋藤の手が緩んで息がしやすくはなったけど。
「び、びっくりしたぁ」
「……鍵閉めてなかったわけ?」
「しめたよ!」
横にいた一人を睨みつける齋藤に慌ててそう答える声がした。
だけど、次に聞こえてきた声はこの場には相応しくないお茶目な笑い声で。
「えっへへ☆ カギならここだよ! 僕、副会長だからね!」
そう言ってジャラっと見せてきたのはリングに付けられた大量のカギ。多分スペアキー。
(え、てか寮まで生徒会の管轄だったの!? しかも職権乱用発言……)
「あっれれ? 誰かと思ったらゆうくんじゃん!」
「っ」
先輩が壁に付いてるスイッチを押すと、ぱっと明るくなる。それはつまり、俺の状態まで隠さず照らされることになるわけで。
「うわぁっ」
下を見るとパンツはずり下ろされて下半身はぐちゃぐちゃに濡れていた。イくのは堪えたけど先走りまでは無理だったらしいソコに顔が真っ赤になる。
だって、ここにいる全員に見られてるし!
「どないしたん? 悠季くん」
頭上に腰掛けていた関西弁が平然と聞いてくる。
(どーしたもこうしたもないっ)
手で隠そうにも上で縛られてるし、足を動かそうにも齋藤が間に入ってるから無理で。
「あ。恥ずかしいんじゃない? ちんちん丸見えだし」
「んんっ、や……!」
横から伸びてきたもう一人の手がぐちゃぐちゃに濡れたソコを触ってくる。
「あっ、やだ、っ……、やめろよっ」
「ほんま感度抜群やん」
上下に擦られて、先走りの溢れる先端をぐちゅぐちゅと攻められる。
(も、やだ……また、きちゃぅ……!)
イッてしまいそうな大波がまた襲ってきて、顔を齋藤から背ける。必死に唇を噛み締める俺の頬に、またするっと手が這う。
この流れ、さっきと同じっ……。
「ぁっ……」
「やっぱ、明るいとこのが正解やな。かわええ、悠季くん」
「っんん……!」
また、頭上にいた関西弁がキスしてきて。ぬるっと入ってくる舌に、もう噛む力すら入らなかった。
「は、んーっ……」
(だめ……俺、もう──!)
「はいはーい! ストーップ!」
「っ」
「僕がいるのに先進めちゃダメでしょー」
そこに浪江先輩が割入ってきて、俺のを触ってた奴と関西弁を離す。
あと、首に巻きついていた齋藤の手も。
「は……」
(え、何……?)
頭が上手く回らなくて、ただ気持ちよさから解放されたことにほっとする。
「先輩、邪魔しないでくれます?」
「ふふ、怖いなぁ。さいチャン。そんなんじゃモテないよー」
「……触んな」
先輩の腕が齋藤の方に伸びて、その頬を突くと案の上払い除けられていた。
(てか、さいチャン……)
「なん。みずき先輩、混ざりたいん?」
「え! 5P!?」
驚く声に先輩が楽しそうに笑いながら俺の手首を縛っていた紐(多分ネクタイ)を解く。
それから俺を起き上がらせると、床に落ちていたブレザーを拾って羽織らせてくれた。
「あ……」
まさかほんとに先輩も?
これ以上人数増えたら、そんな絶望感に先輩を見ると、ニコッと笑って。
「僕、5Pはしないよ」
「! わっ」
「っ、おい!」
俺を横に抱き上げると、先輩はそのまま立ち上がった。それに齋藤が声を荒らげる。
「もー、さいチャンてば! そんな怖い声出したらちんちん萎えちゃうよ??」
(ちょ、言葉っ)
睨みつける齋藤に全く臆すること無く会話をする浪江先輩が凄すぎる……。
「俺が先に目付けたんだけど」
「違うよ、僕が先! 君たちは桜姫まつりの時でしょ?」
「やからってこの状況で横取りは鬼畜やろ」
「そうですよ! なら皆でやりましょうよっ」
「んー? 僕、基本横取り好きだからわっかんなーい☆」
「…………………………………………」
四人に挟まれながらそんなやり取りを聞く。
こっはもう色々辛いし、下半身はまだパンツがずり落ちたままの状態で浪江先輩に抱かれてることが恥ずかしくて仕方ないのに!
「っ……」
「?」
とりあえず羽織らせてもらったブレザーを胸元でギュッと掴む。両足の太腿を合わせて浪江先輩の方に体を向けたんだけど……。
「かわいー、ゆうくん! 我慢させちゃってごめんね。今僕の部屋連れてったげるっ」
「え、ちが……!」
そー言う意味じゃない! 恥ずかしくて体隠そうとしただけでっ。
言おうとして口を開いたのに、鼻に入ってきた香りが甘くて。アイツじゃないんだと、突きつけられた。
(……そうだ。いつもなら、)
って、違う! たまたまっ……今までのはアイツが偶然来ただけでっ。何、こんな時だけ期待してんだよ!
今はもう、何の関係もないのに。
下僕扱いされることだってないし、平穏な日々がやっと戻ってきて嬉しかったのに。
(こんな、気持ちさえなくなれば)
気付いてしまったそれに、今は何の関係もないことが苦しくて、辛い。
「っ……」
(今更過ぎる。もう、全部が)
俺から拒否して、嫌いって言ったのに。いや、アイツの言葉が本当かどうかはわからないけど。
「──ふざけんな。置いてけ」
「!」
背を向けて部屋を出ようとした浪江先輩。
でも背後から聞こえてきた声にその足が止まる。同時に俺も現実に引き戻された。
「……しつこいなぁ。えっちしたいのは分かるけど、学校又は寮での乱交は禁止なんだよ? 生徒手帳にも不純異性交遊禁止! って書いてあるんだからね!」
「え。みずき先輩が言うん? それ」
(……確かに)
関西弁の返しになぜかそう思ってしまった。浪江先輩のことよく知らないのに。雰囲気的に先輩も遊んでそうだからかもしれない。
「それに異性おらんやん。男子校やで、ここ」
「あっ、確かに!」
って、俺何声に出してんだよ、バカ!
「あは、おもろいな。悠季くん」
「あ、ありがとうございます……?」
褒められたのかよくわからず、疑問形になってしまう俺に関西弁は笑う。
ツボがわからない……。
「もう! そんな事より、独り占めしないで下さいよっ。どうせ浪江先輩だって「うるさーい!」」
「!」
びっくりした……。
最後まで聞きたくなかったのか、黙っていた浪江先輩が声をあげる。
「そんなツッコミいらないし、ゆうくんも普通に話さないの!」
「は、はいっ」
言われて見れば先輩の言う通りじゃん。襲って来たやつと話してる場合じゃなかった!
「なら最後に、君たちに一個教えてあげる」
先輩はそう言うと、にっこり笑って。
「えっちはね、みんなでするより1:1(いったいいち)の方がずーっと気持ちいいんだよ?」
「……………………………………」
「……あー、せやなぁ」
「何納得してんのさ! 齋藤もなんか言ってよっ」
「それじゃあ。
Merry Christmas♡」
──バタン。
「めっちゃ発音えーやん」
「あーぁ……。悠季くん盗られちゃった。流木いないからできると思ったのにさぁ」
「しゃーないやろ。副会長様やし。……で、どないする? オナりごっこでもする?」
「え!? 俺らだけで!?」
「……萎えた」
「あ。自分の声で?」
「殺すぞ、お前」
「冗談やって。にしても、あの子最初に目付けたん、もっと他におるやんな」
「…………………………」
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