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「ふぁ…」
あー、眠い…
あれから一時間くらい天の川を見ていたらあっという間にニ十三時を過ぎていた。
「お前、戻ったら数学の課題あるの忘れてんなよ」
俺が欠伸をする姿を肩越しに見ながら流木が言ってくる。
「わかってるよ!てか、別に教えてくれなくてい「明日までなんだろ。終わんの?お前の頭で」」
っ…
ムカつく言い方しやがって!
「……礼なんて言わないからな」
「知ってる」
即答で返ってきた言葉はどこか楽しそうだった。
絶対俺が嫌がる姿見て面白がってるんだ、コイツ…
「…それよりさ、もう手離せよ」
ずっと握られたままの手を見ながら言う。
繋がないと帰らないとか意味わからないことコイツが言うせいで握ってたけど、そろそろ寮に着きそうだし。
でも離そうとしたら強く握り返されてしまった。
「無理」
「っ、なんでだよ!」
「…アイツらが手繋いでる姿、羨ましそうに見てたくせに」
…はぁ!?
「見てねーよ!」
仮に見てたとしてもお前となんか繋ぎたくないからな!
「流木が繋ぎたかっただけだろ!」
「………………」
…え、なんでそこで黙るんだよっ
何も言わない流木に変にドキドキと心臓がうるさくなる。
さっきまで即答だったくせに!
「りゅう「あれ?れいちゃん?」」
こ、この声って…!
気付いたら寮の前で。
焦って手を離した。
「悠季くんも…って、今手握ってなかった!?」
「握ってない!」
緋結に言われて即否定する。
「えー、絶対握ってたよ!」
疑いの目で見てくる緋結に冷や汗が止まらない。
けどここで認めたらそれこそ疑われる。
「見間違いだって!」
「…ほんとにー?」
ジーッと見つめてくる緋結に必死に否定する。
「緋結。悠季くんが違うって言ってるんだから、信じてあげなきゃ可哀想だよ」
「んー…わかった」
た、助かった…
伊咲先輩に言われて渋々俺から離れる緋結にほっとする。
「でも悠季くんとれいちゃんどこ行ってたの?寮戻ってるかと思ったよ」
「えっと…ちょっと道に迷って…あはは……」
笑って誤魔化すけど緋結は納得してなさそうに俺と流木を交互に見てくる。
流木に至っては全く動じず無視してたけど。
「良かったね。戻って来れて」
「…うん。ありがと、菜由」
「あ!」
今度は何っ…
緋結がはっとした顔をして俺の制服の襟を左右に開く。
「ど、どうしたの?緋結ちゃん」
「立谷、騒ぎ過ぎ…」
将と菜由がそう口にしても緋結は気にすることなく俺の首元を見てくる。
一体何なんだよー…!
「この痕、キスマークだよね!?やっぱりれいちゃんとっ…」
しまった!
さっき好き勝手させてたけど、アイツそれ付けてたのかよっ
「ち、ちがっ…虫に刺されて「別にお前に関係ねぇだろーが」うわっ…」
黙っていた流木が俺の腕を引いて歩き始める。
「れいちゃん!」
「緋結、この話はもう終わり。ほら、俺たちも部屋に戻るよ」
伊咲先輩の緋結を宥める声が聞こえたのを最後に、入り口のドアがバタンと閉まる。
「どーすんだよ!絶対バレてるじゃんっ」
襟元をぎゅっと掴みながら流木の背中を睨みつける。
こんなわかりやすいトコに付けやがって!
「バレても問題ないけどね。俺は」
お前はな!
こっちは大有りだよ!
「嫌いだ!お前なんかっ…」
「あっそ」
あぁ、もう…
誰に願ったらコイツから解放されるんだよ…泣
「じゃあ、そろそろ戻ろっか」
「はい」
「あ、ちょっと待って!」
「緋結ちゃん?」
「悠季くん、何のお願いしたのかなって思って」
「赤点とりませんよーに、とかじゃね?」
「将、未月くんに怒られるよ…」
「んーと…"はやく自由になれますように!"。…え、自由??」
「「あぁ…」」
「ふふ、無理だろうね。きっと」
「悠季くん、何に縛られてるんだろ…。あれ?れいちゃんのがないよ」
「鈴汰は自分で叶えるからいいって」
「もー、書いてって言ったのに!」
「流木先輩なら何でも叶えられそうだね…」
おわり
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