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序(02)
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私には一切の理性を捨て、共に快楽の波に乗る事に躊躇う訳がありました。
背徳感はございます。
ですが、事に至ってしまえば、ただ淫猥な行為を盛り上げる肴でしかありません。
また、疑惑などの感情は、情事の最中には不思議と湧かない物です。
それならば、何故――
我を忘れて、この行為にのめり込めないのかと言いますと…
ただ、一点、強く意識してしまう事がございます。
先生です。
先生に見られている感じがしてて仕方ないのです。
実際、先生はこの場にはいらっしゃいません。
それどころか、先生の寝室は、私の部屋からは何間も離れた場所にございます。
例え、大声で歌おうとも、お気づきになられないかも知れません。
ましてや、先生が私どもがまぐわう度にわざわざ隣室に陣取り、聞き耳を立てて居るとも思えません。
それなのに、卑猥な水音が響く度、淫靡な声が上がる度、私はヒヤリとしてしまうのです。
別段、この関係を隠したいと言う事ではございません。
むしろ、先生が望まれたことなのですから…
そう。
それを言い訳に、この様に一線を越えてしまったことが、私は後ろめたいだけなのかも知れません。
この様に、畏まった口調になるのも、全て後ろめたさの所為だと思います。
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