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兄ちゃん
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朝起きると下で物音がした
多分兄ちゃんが帰ってきてるのだろう
「今日も学校かぁ」
のびをしながら昨日のことを思い出す
ほんっとに美人だったよなぁ
クラスの女子とかキャーキャーいいそう
そう思いながら俺は階段を降りてドアを開ける
ここから毎朝の楽しみが始まる
兄ちゃんの朝食だ
「おはよ?雪」
「おはよ兄ちゃん。昨日はいつ帰ってきたの?」
「11時くらいかな」
俺の兄ちゃんは大学2年生
めっちゃ頭のいい大学に通ってんだ
尊敬する人は?と聞かれたら俺は間違いなく兄ちゃんと言うだろう
「今日も遅いの?」
「ううん。今日は早いよ。だから雪のためにとっておきのディナー準備して待ってる」
ほんと兄ちゃん大好き!!
ご飯作ってくれるからじゃないよ?兄ちゃんが好きなんだよ?
ご飯を食べた後は学校に行く支度をする
いつもは若干遅刻気味な時間に出るんだけど兄ちゃんがいる時は
ちゃんと早く行くことにしてる
はやく行くと褒められるからだ
「行ってきまーす!!」
「行ってらっしゃい。気をつけてね!」
兄ちゃんの言葉に頷いて俺は家を出た
「はぁ。今日体育あんのか……しかも水泳」
俺は運動が嫌いだ。かといって勉強ができるというわけでもない
特技も何もないから将来の夢もない
学校は俺の中ではもう昼食を食べるだけの場所になっている
兄ちゃんみたいにかっこよかったらいいのに顔も普通
いたって平凡な顔立ち。そう、平凡な顔立ちなのだ
なのにどうして……
あんなことになったのだろう
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