アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
頑張れ、二位くん!
-
「入試二位がなんとかしてくれますよ」
頑張れ、まだ見ぬ二位くん!
「君、わりと強引かつマイペースかついい加減だね」
「一個増えましたね」
「一個増やしちゃいました」
副会長の
トゲのある言葉をスルスルかわしながら
寮までたどり着いた。
「ほげー」
あんまりにも豪華な建物だったので
思わず頭の悪そうな声が出てしまった。
ホテルかなんかか。
いや、さっき俺、あながち間違ってなかったな。
「寮監さんがいるから、声かけて部屋まで案内してもらうんだよ」
「ありがとうお母さん」
「あはは、ぶっとばすぞ特待生」
「出たな本性」
その美しい笑顔の下の
真っ黒な本性を暴いてやったぜ。
チョーコワイ。
笑顔を崩さないまま
フラッと近寄ってきた
王子の手が俺の顔に…
って
「イタイイタイイタイ痛いです副会長!」
俺の顔を鷲掴みした右手の
中指と親指に力が込められる。
ちょっ、ねぇ!
ミシミシ言ってる!!!!
これって噂のアイアンクロー!?
線の細い儚げ王子の
どこにそんな握力を隠していた!?
痛み苦しんでいる俺の顔を見て
満足そうにした後
「じゃあ、俺はまだ役員の仕事があるからもう行くね。」
と爽やかな笑顔を残して去って行った。
さようならお母さん…
また会う日まで…。
「オイお前、新入生?」
第二の母との別れを惜しんでいると
後ろから声をかけられた。
「入試トップの新入生です」
と振り向くと
なんだかちょっとダラシない格好をした
二十代を越えて30代に片足
突っ込んでそうなおっさんがいた。
「今年の1位はお前かー。なんか、こう、1位の割に頭悪そうな顔してるな」
なんつー失礼なこと言うんだこのおっさん。
「失礼な。このメガネが目に入らないんですか。頭良さそうメガネですよ。」
眼鏡○場のお兄さんに
わざわざ恥を忍んで注文したんだぞ。
頭良く見える眼鏡にしてくださいって。
「メガネだけで頭良さそうに見えるんだったらだれも苦労しねーよ。」
「残念だったな、俺は頭良さそう、じゃなくて本当にいいんだ」
「お前と話してると疲れるわ。初対面なのにこんな気持ちにさせられたの初めて。お前才能あるわ」
「おっさんも失礼なこと言う才能ありますよよかったですね」
「おっさん言うなぶっ殺すぞ。俺はまだピチピチの24歳だ」
!!!!????
無精髭ボーボー、平日の昼間から
スウェット着用、トイレスリッパで
外に出てくるこんな
ダラシない奴が
24!?
「おっさんに見える才能もあるようですね」
思い切り殴られた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 44