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酒は呑んでも呑まれるな
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―――――――――――――
飲み会という名の合コンはお開きを迎え、既に出来上がっている者たちは二次会へと向かった。
いつもなら祐也もその一員だったのだが、今日は違う。
酔い潰れた凪を背負い夜の街を歩いていた。
「凪ー?大丈夫か?」
「う~…気持ち悪い…」
「は!?お前俺の肩に吐くなよ!?」
う~、と小さく呻くと、モゾモゾと動く凪。
首に息が掛かるのがこそばゆい。
祐也は凪のすやすやと眠る寝顔を見て自然と笑みが溢れた。
祐也にとってドキドキするということ自体、初めての経験だった。
今まで来るもの拒まずで付き合ってきた祐也は、誰一人、本気で熱くなることがなかったからだ。
確かに凪は可愛い顔をしているが、決して女に見えるというわけではない。
身体つきは細いものの必要な分だけの筋肉も付いており、女の子のように柔らかいわけでもない。
それなのに高鳴る鼓動は祐也を熱くさせていく。
祐也自身も不思議なくらい、自然と凪に惹かれていくのを背中に触れる熱が物語る。
だがその気持ちに確信は持てなかった。
いや、持てなかったではなく持ってはいけないものだったからだ。
今まで友達として凪に接してきたその関係が壊れるのが怖かった。
突然、白い高級車が横に止められた。
すぐさま扉が開くと、綺麗な顔をした男がこちらにやってくる。
端正な顔つきの男の薄く整った唇が動く。
「…君はゆうやくん?」
そう言ってにこ、と微笑むがその顔はとても微笑んでいるという生易しいものではない。
殺意すら感じる男に不信感が募る。
「…あんた誰だよ?」
凪を抱える腕に力が入る。
ふ、と嘲笑うかのような笑みを見せる男。
「凪は俺が送ろう」
男はそう言うと凪の身体をひょいと、抱えいとも簡単に腕のなかに収める。
「ちょ…っ、おい…!」
咄嗟に凪を引き戻そうと手を伸ばす。
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