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その後
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―――――――――――……
高く上った太陽の光が部屋を明るく照らしだし、その眩しさに重たい瞼を開く。
「ん……」
ぼやけた視界のなか、じわじわとはっきりとしていく見知らぬ天井をぼう、と見つめる。
……どこだ、ここ…
「ようやく起きたか」
突然聞こえてきた声により、凪は一気に現実へと引き戻されると声の主を見る。
「…斎…」
絞り出すように紡がれた声に、斎はふ、と微笑むと扉にもたれ掛かるように立っていた身体を動かし、凪の寝ているベッドへと近づいてくる。
シャワーを浴びていたのか、髪から滴り落ちる雫。それをタオルで拭う姿は様になっていて、凪の心臓を高鳴らせる。
バスローブから肌けた胸板は意外にも筋肉質で鍛えられているように感じた。
自然にごくり、と喉が鳴る。
――――なんでこんな無駄に色気醸し出してんだよ
若干、恨めしながらも、認めざる得ない斎の魅力。
「どうした。…欲情でもしたか?物欲しそうな顔して」
突然掛けられた声にびく、と身体を揺らす。
「なっ!だ、誰が!んな顔してねぇ!」
不意をつかれて急いで言い返したが、考えていたことを読まれていたのかと凪はみるみる赤面する。
その様子を見てふ、と斎は微笑んだ。
斎はベッドの端に座るとその反動で身体が揺れる。
「お前も強情なやつだな」
そう告げられると、凪のおでこに軽いキスが落とされた。
「……………な、なななっ!」
一瞬フリーズした頭を無理矢理叩き起こし、その行動を理解すると同時に凪の顔は真っ赤に染まり、斎を見てぱくぱくと口を開く。
「死ね!ばか!」
凪はいてもたってもいられなくなり、毛布を深く被って小さく縮こまる。
「…ぷっ、お前といると飽きねぇな」
軽く吹き出すと、毛布を一気に剥ぎ取り、驚く凪の耳元に唇を近づける。
「…もう一回するか?」
昨日の夜を思い出し、ぞわ、と全身が粟立った。
「し、しねーよばか!絶対もうしない!」
ぷい、と顔を背ける。
そんな凪の頭を斎の大きな手が、くしゃ、と撫でるとベッドから腰を上げ、斎は仕事に行く準備をしていた。
凪も起き上がろうとしたが、予想以上に痛む腰に、斎はまだ寝てろと半ば強引に凪を寝かしつけ、家を出た。
何だか癪に触るが、この腰では帰れない。
斎の言葉に甘えることにした凪は瞼を閉ざしたのだった。
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