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気持ちがわからない 1
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__________…
灰色の雲が漂い、何やら怪しい天気に少々憂鬱になる。
しっとりと湿気を含み、きまらない髪を気にしながら学校への道のりを凪は踏みしめていた。
いつも途中で出会す祐也にも会うことなく生徒達で賑わうキャンパス内を抜ける。
…今日祐也来ねーのかな。
いつも俺を待ってる可愛い女の子達がいるから行かなきゃとかどーたらこーたらほざいていたくせに。珍しい。聞きたいことあるのによ。
ま、祐也のことだからどうせ寝坊か何かだろ。
そう思い、凪は構内へと入ったのだった。
_________…
「アイツ来ねーし…」
結局、凪は祐也に会うことはなくいつも通り講義が終わると学校の敷地内を出た。
…そういえば携帯の存在忘れてた。
帰り道、凪は普段あまり使うことのない携帯電話の存在に気づき真っ暗な画面の電源を付ける。
これで祐也に連絡すれば早い話じゃんね。大体なんで来ねーんだよ、風邪引いてんのか?
電源を付けると、画面に表示される不在着信の数に凪は目を点にして驚く。
「なんだよこれ……」
軽く50件は下らないだろう、一昨日の夜から掛けられた着信は全て祐也からだった。
「…え、何事?」
心配が先立ち、急いで凪は祐也に電話を掛けた。
プルル、と無機質なコール音が耳に響く。
だが、何度掛け直しても祐也は電話に出ることはなかった。
―――何やってんだよ…
長い幼馴染みをやっていてこんなのは初めてのことだった。
変に心配なった凪は祐也の家へと向かった。
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