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「んで?なんか用?」
コンビニ弁当を広げながら、ベッドに腰掛ける裕也を見ることなく言い放つ。
「なんでそんな冷てぇんだよ」
不服そうに、むくれる裕也。
「別に」
こっちはできれば裕也に会いたくなかった。あのような別れ方をして、更には絶対に見せたくなかった表情まで見られている。今更どんな顔をしたらいいのか分からないのだ。
なのにこいつときたら人の気も知らないで…
「まぁいいけど。つか、こっちきて」
裕也が右手でぽんぽんとベッドを叩いた。
「無理。今ご飯食べてるんだけど」
チキンを頬いっぱいに詰め込んでいる最中だ。
いまだけは邪魔しないでいただきたい。
「いいから、早く」
早く早くと、連呼してベッドを叩いている。この男、面倒臭い。
うるさい祐也に根負けして、肩を落としながら渋々隣に座った。
その様子に、にこにこと眩しい笑顔の裕也。まるで犬である。
「で?なに」
ちらりと裕也の方を一瞥して、はぁ、とため息を一つ落とす。
「こっち向いて」
「は?」
「こっち向いてって言ってんの」
「嫌だよ、めんどくさい」
「いーから、早く!早く早く早く早く!」
面倒臭さに磨きが掛かったようだ。ぐいぐいと肩を揺さぶられ、視界が歪む。
「はぁ〜…うぜぇ…」
心底うざったそうな顔をわざと作りながら、裕也と向き合う。
「これで満足かよ?」
裕也を睨む。当の本人は、ニコニコとまたも満足そうな笑顔。
なんか負けた気がする。
「うん、満足」
「あぁ、そう。で、何………」
用事を聞こうとした、そのとき。
凪の目の前に、祐也の顔があった。唇には温かくて柔らかいものが当たっている。
キスをされているのだと、すぐに分かった。
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