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変移 1
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「仕事か…そりゃそうだよな」
とりあえずベタつく髪と身体をさっぱりさせたくて鈍く痛む腰を支えながら起き上がると長い廊下に出て浴室を探す。
いくつものドアを開けては、浴室でないことにうんざりして閉める、を繰り返してようやく目当ての浴室へと辿り着いた。
案の定、浴室も高級ホテルのように、大理石で埋め尽くされた床面と壁に、異様に大きな丸いバスタブ。開放的な大きな窓からは住み慣れた街を一望することができる。
高級ホテルに泊まったことなんてないけれど、きっと大げさなんかではないはずだ。
(…ほんと何から何までムカつくやつ)
金持ち加減に少々引きつつ、着せられていた大きなシャツを脱ぐ。
なんとなく脱衣所にある大きな鏡を覗き込んで、ぎょっと目を見開いた。
体中に無数に広がる赤い斑点。それがなんなのか、理解した途端一瞬にして全身が赤く染まった。
「っ、なんだよ…これ……」
これではまるで、斎の所有物だとでも言われているようだ。
独占欲からなのか、何なのかはわからないけれど、斎という縄で縛られているようで。
存在を主張し始めた劣情に気づいて、浴室へと逃げるように駆け込む。
熱いシャワーを浴び、自分の中から込み上がってくる淫らな感情を脱ぎ払うと、急いで斎のマンションを後にした―――…
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