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「物分かりが悪い人ですね。次からは言われる前に口を開けなさい」
面倒臭そうに、男は小さく溜息を吐くと、長い指が口の中を広げていく。
「へへぇふあへんひゃ」
てめぇふざけんな、と言ってやりたかったのだが、口内を拡げられた状態ではほとんど言葉にならず、逆にその状況を見るや否や、ふっ、と嫌味に笑われたのだ。
は…?なにこいつ…!本当に医者かよ!?
目の前の男に面と向かって文句を言ってやりたいのに、それが叶わないこの状況に腹が立った。
畜生。いっそこの指、噛んでやろうか。
そう思って男を見た、そのとき。
物凄い形相で口内を見ていた医者は、大きな溜め息を吐き出した。
「どうしたらこんなに汚い歯になるのか不思議ですね」
男はもう一度深い溜め息を付くと口の中から指を引き抜いた。
「……」
怒りで震える凪の身体。
さっきから悪態ばかりつく男の態度に、もう、我慢できなかったのだ。
「てめぇさっきからふざけてんのか…っ」
「はーい!では由川さん、一度レントゲン撮りますね〜こちらへどうぞ〜」
掴みかかる勢いの凪だったが、すかさず入ってきた美人なお姉さんに、腕を引かれる。
「え…ちょ、あの…っ」
「はい、こちらですよ~」
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