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土日を挟んだ、月曜日。
凪は大学へ行くため、電車に乗っていた。
あの斎という男のせいで、土日はもやもやとした感情のまま過ごした。ネットで『男同士 キス』と何度調べたことだろうか。
だが、ネットによると、意外と男同士でキスするのは少なくないらしい。そんな世界があるものなのか、と少しは納得したが、受け入れるのはまた別である。
大学に着いて、講義室に入ると、五、六人の女子に囲まれた祐也が目に入る。
お菓子を口に運ばれながら、王子様スマイルを振り撒く祐也に、いつもの光景なので特に驚くこともなく、素通りして一番後ろの端の席に座った。
「お、きたきた、凪〜っ」
俺に気づいた祐也は、すぐに飛んでくるとぎゅうと抱き締める。
「なんだよ朝から…変な目で見られるから離れろって」
「いいじゃんよ。俺達の仲、見せつけてやろうぜ」
「冗談は顔だけにしろ」
「ありがとう…どうして俺こんなに顔がいいんだろう…」
「死ね」
「ひどい!」
祐也は、人懐っこくて、友達も多い。放っておいても、祐也のビジュアルに、人が集まってくる。それに対して、自分は人見知りで口数もあまり多くない。話せるやつが何人かいるレベルで、友達と呼べる人はいない。
そんな正反対の祐也と俺なのだが。仲だけは非常によかった。幼馴染でなければ話すこともなかったであろう二人が、ずっと一緒にいるのだから周りから見れば不思議に思うはずだ。
そんな唯一の友達だと呼べる存在の祐也に、気になっていたことを質問する。
「なぁ、男同士でキスってするもの?」
「はぁ?しないよ、普通。どうして?」
「いや、なんとなく」
「なんとなくって…まさか、凪…男とキスしたの!?」
「うるさい!声がでかいってば」
「てことは、本当にキスしたの!?」
「ち、違うって!俺あんまり友達とかいないから知らないだけで、男同士でもキスしたりするものなのかなって」
「いやぁ、ないでしょ。あるとしたらゲイだね」
「ゲイ…!?男が好きってこと…?」
「うん。それしか考えられないでしょ」
「そういうものなのか…」
「え、本当にキスしてないよね?男と」
何故か心配そうに聞いてくる祐也。
「し、してないって!うるせぇな!」
講義が始まってから終わるまで、祐也がずっと疑いの目を向けていたが、無視して帰路に着いた。
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