アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
あれ、何でこんなことに 6
-
「…馬鹿か、心配させんな」
深い溜め息を吐き出した斎は凪に回した腕に更に力をいれる。
「っ…うるせぇ…っ…来るの遅いんだよ…っ!」
凪はそう言うと腕を回して斎を抱き締め返し、何故だか止まらない涙をポロポロと流した。
すまない、と小さく聞こえてくると、暖かい大きな斎の手が俺の頭を撫でる。その手があまりにも優しく触れるものだから次々と溢れ出す雫。
斎は抱き締めていた腕を緩め、凪を見据えた。きっと俺の顔は涙やらその他諸々でグチャグチャだろう。
そんな俺にも構わず、目の前に顔が近づくと、唇に熱が灯る。
長い、長いキスのように感じた。今日は何故だか抵抗する気も起きない。触れた箇所から徐々に身体が温まるような感覚。いつまでもこうしていたい、とも思えた。
「っ…ん…、ふ」
凪のその心を見透かしたように、徐々に激しさを増していく。
どれだけの時間が立ったのだろうか、暫くすると、ちゅ、と軽いリップ音と共に唇が離され、凪の顔を見つめる斎。
突然、肩を掴んでいた斎の腕がプルプルと震えだした。
「ちょ…っ、大丈夫かよ?!…まさかさっきの奴等にやられたんじゃ……?!」
凪は先程の男達にやられたのかと思い、目の前の斎を心配する。
「…ぶは…っ、…すげぇ顔…!」
突然斎は吹き出し、凪の顔を見て身体全体を揺らしながら笑う。
「………」
うん。もう 俺、コイツ殺っちゃっていいかな…?
ゲラゲラと笑う斎に芽生える何かを押し殺すのでいっぱいいっぱいだった。
その後、斎は俺の、涙と鼻水でグチャグチャの顔をハンカチで拭き、乱れていた服を全て直すと、無理矢理繋ぎ合わせた手を握り締め、暗い建物を後にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
25 / 125