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#11
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胡蝶side
「…ちゃん、嬢ちゃん」
…柴田様?
「聞こえてたら、手を握ってみな」
僕は、おそらく柴田様の手を掴んでいるんだろう。
言われた通り、僕は手に力を込めた。
「…よし、大丈夫だな。
ったく、階段から落ちるなんて
みんな心配したよ〜?」
心、配…?
そんな、勿体無い…!
僕のことを、心配なんて…
「…ハヤトっち、いつまでそんなとこにいんの〜?」
「…俺がちゃんと役目はたさんかったから
こないなことになってしもたんや」
「…ハヤトっちにも、言っとかねぇとかなー
嬢ちゃん、目が見えねぇし声も出せねぇ
そういう仕組みになってんだ
ハヤトっち、そこんとこよろしくね〜」
「なっ…!
そうなんか!?
なんでそれをはよ言わんねん!」
柴田様、どうして…
どうして言ってしまうんですか!?
そんな…
僕が木偶人形だって知ったら…!
皆様の迷惑に、なるって…
ご主人様の役に立たなくなるって…
そうやって、判断されてしまう…!
…そう、そうか
柴田様は、僕にここにいてほしくないんですね。
「…そんな顔しないでよ、嬢ちゃん
このことは若にも伝えてあるから」
若…って、ご主人様の事ですよね。
じゃあ…ご主人様も、この事は知ってるんだ…
僕はもう、いらないんだ
ネクタイ1つ、届けられないんだから。
そりゃあ、そうだよね。
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